かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2012.9.14 update.
第8回では、「saving lifeナース育成プラン」の教育指導者養成の中に位置づけられている名大病院クリティカルケア認定コースについて紹介します。
◆コースの内容
名大病院クリティカルケア認定コースのねらいは、救命技術から危機状況にある患者および家族への精神面の看護に至る幅広い救急・クリティカルケア領域の知識や技術、アセスメント能力の向上と育成にあります。名大病院としては、27部署に名大病院クリティカル認定看護師を配置することを目指しており、現在は8名の看護師がこのコースを修了しています。昨年度までは名大病院内の看護師のみの養成でしたが、今年度からは病院外の看護師も募集し、合計7名の受講生で構成されています。
目 的
期待される能力
1.実践
2.相談・連携
3.指導
受講対象者の要件
<院内受講生>
<院外受講生>
研修期間
平成24年6月15日~平成25年5月末
◆講義内容と科目
看護管理から始まり、指導案作成・コーチング・リフレクション・ファシリテーションなど、組織の中でリーダーシップを発揮するために必要な知識及び思考過程を他大学の教員に依頼します。循環器、呼吸器、脳神経外科、消化器、生体侵襲、人工呼吸器、鎮静と鎮痛、胸部X-P・CTの見方、血液ガスデータの読み方など臨床に必要である知識やアセスメントのポイントを当院で臨床診療を行っている医師が担当しています。更にフィジカルアセスメント、看護理論や倫理、危機理論やストレスコーピングなどの科目は、名古屋大学医学部保健学科の教員が担当し、更にクリティカル場面で使用する機器やリハビリテーション、薬剤については、臨床工学技士、薬剤師や理学療法士などの専門分野の職員が担当しています。院内で活動している感染管理認定看護師、救急認定看護師、皮膚排泄ケア認定看護師、急性・重症患者看護専門看護師からは専門分野における講義もあり、現場ですぐにでも活用できる内容として構築しています。
クリティカル期における患者に必要な技術や知識を押えた最終に5日間の実習を組んでいます。患者を通して学んだ知識と技術を統合し理解していく研修となっています。
◆理解を深めるためのサポート
授業前課題や後課題を出題し知識を深めるようにしています。押さえておかなければならないポイントをレポートや試験で確認し、疑問点などはコースの担当である救急認定看護師と急性・重症患者看護専門看護師がサポートしています。
◆受講生の反応
仕事と名大病院クリティカルケア認定コースを両立させているので、受講生としては楽しいながらも辛い時もあるようです。夜勤をこなし、病院の役割を行いながら受講しています。それだけモチベーションが非常に高いことが推測されます。「辛い」と感じる理由として、講義に対してのレポート課題が次から次へと出されることや、一日の講義もあれば夕方から夜間の講義もあり大変さを感じているようです。しかし、講義で学んだ事が現場ですぐ活用でき、役に立つと学ぶ楽しさを実感しているようです。
◆名大病院クリティカルケア認定コース修了者の役割
部署での活躍はもちろんのこと、「saving life ナース育成プラン」における教育プログラムの開発・企画に参画し、リーダーシップを発揮し、教育プログラムを運営する役割を担っています。