3分でわかる退院支援の3ステップ

3分でわかる退院支援の3ステップ

2011.12.01 update.

宇都宮宏子 イメージ

宇都宮宏子

京都大学医学部附属病院地域ネットワーク医療部退院調整看護師。京都大学医療技術短期大学(現、京都大学医学部保健学科)卒。大阪、函館で急性期病院勤務のあと、高松、京都で訪問看護師となる。02年7月より現職。在宅ケアの経験をいかして退院調整に取り組んでいる。『退院支援実践ナビ』(医学書院、2011)、『病棟からはじめる 退院支援・退院調整の実践事例』(日本看護協会出版会、2009)など、編著書多数。

 

高齢化、在院日数の短縮化を背景に、多くの病院は急性期医療に特化される傾向にあります。急性期医療では、患者の生命維持を最優先とした医療が提供されますが、その結果として、退院後、高度な医療処置のために、スムーズに在宅生活に移行できない患者が多く生まれています。そのため近年、看護師による退院支援の必要性が強く説かれるようになっているのです。

 

筆者は、急性期医療の現場で効果的に退院支援を進めるために、入院から退院までを3つのプロセスにわけて退院支援を行なうことを推奨しています(図表)。この概念図は「京大方式」と呼ばれることもありますが、大枠としてはどの病院でも応用可能なものだと思います。病院の規模・機能によりどの段階を誰が担うかといったことは適宜アレンジしてください。

 

第1段階、第2段階は、主に病棟看護師が主体的にかかわり、退院調整看護師がそれをサポートします。ここでは病棟看護師による情報収集とアセスメントとともに、退院支援カンファレンスなど、多職種での連携がカギとなります。第2~3段階の過程で、必要に応じて退院調整看護師とMSWが属する地域医療連携室、地域ネットワーク医療部などに支援依頼を出し、社会資源、サービスの調整を行ないます。

 

図表 退院支援の3つのプロセス

第1段階 スクリーニングとアセスメント
(外来~入院後48時間以内)
●退院支援が必要な患者のスクリーニング
●アセスメント
●支援の必要性を患者・家族と共有し、動機付けする

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第2段階 受容支援と自立支援
(入院3日目~退院まで)
●継続的にアセスメントし、チームで支援
●患者・家族の疾患理解・受容を支援
●患者・家族の自己決定を支援
●退院後の生活を患者・家族とともに相談・構築

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第3段階 サービス調整
(必要となった時点~退院まで)
●退院を可能とするための制度・社会資源の調整
●地域サービス・社会資源との連携・調整

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第1段階では退院支援が必要となる患者をスクリーニングしますが、その際重要なことは、その過程で、一人ひとりの患者の退院後の生活をイメージすることです。患者が病気や今回の入院についてどうとらえているか、入院医療にどのような期待をしているか、医師のめざす状態と認識のずれはないかを想像する力が、漏れのないスクリーニングと、第2段階、第3段階への切れ目ない継続的支援につながります。

第2段階は、入院3日目~退院までのプロセスです。ここでは「病気・病態を患者が理解し、受容していくための支援(受容支援)」と、「自宅でできる医療・看護の方法を患者・家族と一緒に考え、自立をめざす支援(自立支援)」をチームで行ないます

第3段階では社会保障制度や社会資源、インフォーマルサービスも含めて、在宅療養の環境を整えます。第3段階のスタートは、「サービス調整が必要となった時点」です。つまり、第1段階、第2段階のカンファレンス、アセスメントを行っているなかで必要性が明らかとなってきたサービスについては、随時調整を行っていくことになります。

 


病棟チームが中心となって行う第1、2段階、そして退院調整専門部署が中心となる第3段階。外来も含めて「チームで行う退院支援・退院調整」をシステム的に進めることが大切です。すべてのプロセスにおいて「患者がどう生きたいか」を軸に、マネジメントしていきます。

 

<本稿は、書籍『退院支援実践ナビ』を元に、再構成したものです>

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病棟・外来看護師必携! 今日からはじめる「生活目線」の退院支援。在院日数短縮に伴い注目が高まる退院支援。医療依存度の高い患者の退院・在宅療養生活への移行には、入院早期、ひいては外来通院中からの、看護師による「生活目線」の退院支援がカギとなる。退院調整部門はもちろん、すべてのスタッフ、看護管理者に求められる退院支援の考え方、知識、方法論を、退院支援の第一人者の著者がナビゲート。

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コメント

私の尊敬する宇都宮先生。私の愛読書でもあります。
去年から、外来看護師として退院調整委員として働く私には、どんな難しい本よりも、役に立っています。ありがとうございます!!

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