がん患者のための食事レシピ No.014

がん患者のための食事レシピ No.014

2011.6.15 update.

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プロフィール

b>川口美喜子
島根大学医学部附属病院臨床栄養部副部長・管理栄養士。2005年より島根大学医学部附属病院NST(栄養サポートチーム)の構築と稼働に携わる。
病院栄養士になってから、食事に悩む患者さんのために患者さんに寄り添える栄養士が必要だと感じていました。そんなとき、院内で事務職に就いていた青山栄養士に出会い、共に歩んでくれるように説得しました。青山栄養士は辛い思いをしながらも、楽天的で無頓着な私と活動を共にしてくれました。最近は、私よりも強く逞しく大きな心で食の奥深さを語ってくれます。親子ほど年の離れた私たちで、患者と家族の体と心を和ます命を繋ぐ病院食を考えていこうと思います。

青山広美
日清医療食品(株)島根大学医学部附属病院事業所・栄養士。
初めてがん治療に苦しむ患者さんに会った時、「今は食欲がないから何もいらない」「治療が辛くて食べる気分にならない」「食べられないから来なくていいわ」と言われることばかりでした。「食欲はないけど、私は生きるために食べたい」という言葉に驚きとショックだったことを覚えています。毎日が特別な食事ではないけれど、患者さんのその日、その時食べたい希望に合わせた調理は、人を思うやさしい料理になると思います。

カラフルサンドイッチ

 

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☆こんな患者さんに

食欲不振 

 

レシピ紹介(1人分)

 

一人当たりエネルギー 532kcal、たんぱく質 19.7g、塩分3.2g

<材料> 

食パン 25g×12枚 (耳なしを使用)
トマト 90g
きゅうり 60g
レタス 30g
スライスハム 20×3枚
スライスチーズ 1個半
マヨネーズ 15g
粒マスタード 15g
少々
マーガリン 24g
ツナ缶 60g
   

 

<作り方>

one食パンは両面にマーガリンと粒マスタードを塗る。

 

twoトマト、きゅうり好みの厚さにスライスする。卵はゆで卵にした後、つぶしてマヨネーズと粒マスタード、塩で味を付ける。ツナもマヨネーズと塩で味を付ける。

 

threeそれぞれの具材をパンで挟み、重しをのせてしばらく置く。好みのサイズに切って盛りつける。

 

<調理のポイント>

パンは食パン以外でも使えます。ロールパン、クロワッサンなど余ったパンで代用可能です。パンをトースターで少し焼いて、ホットサンドにしても香ばしく食欲を増します。

 

☆Story

若い患者さんの場合、煮物(高野豆腐、芋、インゲンなど)やお浸しが口に合わないことがあります。吐き気が強い場合にはなおさらです。ある若い女性患者さんは、何を食べたいかということが自分でもわからず、リクエストを聞いてもお粥しか思いつかない様子でした。

 

そこで、「パンはいかがですか。サンドイッチもできますよ」と提案したところ、「あ! そういうものでもいいんだ!」と驚かれ、大変に喜んでいただきました。「あっさりしていて美味しかった」と満足していただけたようです。

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