がん患者のための食事レシピ No.006

がん患者のための食事レシピ No.006

2011.2.08 update.

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プロフィール

川口美喜子
島根大学医学部附属病院臨床栄養部副部長・管理栄養士。2005年より島根大学医学部附属病院NST(栄養サポートチーム)の構築と稼働に携わる。
病院栄養士になってから、食事に悩む患者さんのために患者さんに寄り添える栄養士が必要だと感じていました。そんなとき、院内で事務職に就いていた青山栄養士に出会い、共に歩んでくれるように説得しました。青山栄養士は辛い思いをしながらも、楽天的で無頓着な私と活動を共にしてくれました。最近は、私よりも強く逞しく大きな心で食の奥深さを語ってくれます。親子ほど年の離れた私たちで、患者と家族の体と心を和ます命を繋ぐ病院食を考えていこうと思います。

青山広美
日清医療食品(株)島根大学医学部附属病院事業所・栄養士。
初めてがん治療に苦しむ患者さんに会った時、「今は食欲がないから何もいらない」「治療が辛くて食べる気分にならない」「食べられないから来なくていいわ」と言われることばかりでした。「食欲はないけど、私は生きるために食べたい」という言葉に驚きとショックだったことを覚えています。毎日が特別な食事ではないけれど、患者さんのその日、その時食べたい希望に合わせた調理は、人を思うやさしい料理になると思います。

レシピNo.006 おから団子 
 

 

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対応

嚥下困難、食欲不振、噛むことが難しい方

 

レシピの背景
嚥下には障害はない患者さんでしたが、口が動きにくくて噛むのが難しいと言われるので、舌で潰せるくらいの軟らかさのメニューを考えました。

 

管理栄養士との関わり
患者さんは看護師から食事介助を受けていたが、そのことをとても申し訳なく感じておられました。食事時間を少しでも短縮できたらという希望もあったので、食べやすい形のメニューを検討しました。
初めにすべてをミキサーにかけたものを出したところ、ペースト状になった食事をみて「病気が悪くなったからこんな食事になったのではないか」と不安に思われました。そこでゼリー状にして提供しましたが、それも食べにくいと言われました。さまざまな食材を使用し、歯茎で噛めるくらいのふわふわのムース状、見た目の良いペースト状にして提供するよう工夫を重ねました。

 

レシピ紹介( 3人分)
一人当たりエネルギー107kcal、たんぱく質3.4g、塩分0.6g
<材料> 
おから     30g
鶏ミンチ肉   15g
玉葱       30g
人参      15g
サラダ油         小さじ1杯
しょう油    小さじ1杯
塩       0.5g

みりん     3cc

豆腐      30g
鶏卵      15g
長いも     60g
揚げ油      適宜
だし汁             60cc
しょう油、みりん、塩  各適宜

片栗粉          小さじ2杯

 

<作り方>

(1) 玉葱、人参はみじん切りにする。

(2) 豆腐はさっと茹でて水切りする。長芋はすりおろし、卵は溶いておく。
(3) 鶏ミンチ肉を炒め、(1)とおからを加え調味料で煮る。
(4) (2)と(3)をよく混ぜ合わせて、スプーンで団子状にすくい、油で揚げる。
(5) だし汁をしょう油、みりん、塩で味を整え片栗粉でトロミをつけ団子にかける。

 

患者さんの反応
形のあるものは食べにくく、ミキサーにかけてペースト状になったものは好きではないという患者さんでした。おからを用いた柔らかい食感の団子は、目先も変わり、食欲も増したようでとてもうれしそうに食べてもらえました。
 

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