かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2018.5.22 update.
2000年に発足し、安全安楽かつ効果的に患者がIVRを受けられるようにIVR看護のあり方を検討する場です。放射線科における看護の臨床実践能力を高めるため専門知識や技術の習得、研鑽をめざし、チーム医療における看護師の役割を追究し、また、IVR看護師の専門性を確立するため、継続して学習する場、人的交流の場を提供することを目的としています。
発足間もなくから開催している研究会(セミナー)は、3月16日に第19回を迎えました。記念すべき第20回は、2020年3月7日に開催予定です!
公式webサイト:http://www.ivr-nurse.jp/
Face book @ivrnurse2016
I看護師のもやもや
I看護師はIVR室に配属となり5年目、ガウン着用の介助は手慣れたものです。
ある日、他施設から研修に来たばかりの医師が滅菌ガウンを着る介助をしていた時のことです。途中、医師の滅菌手袋を装着した手に自分の手がかすったような気がしました。医師は何も言いません。I看護師は「自分の気のせいかもしれないし、この病院の看護師は満足にガウンも着せられないのかよって思われたらいやだなあ……」と思いました。
しかし、次の瞬間に、「すみません。手が触れたかもしれません。念のために手袋を新しく替えていただけますか?」と医師に言っている自分がいました。医師は、「えっ? そうだった? 全然気が付かなかった。気のせいじゃないの?」と言い、手袋の交換には消極的な様子でした。I看護師が「おっしゃるように気のせいかもしれません。でも、疑わしい時は、確実なほうをとりたいです。先生にはお手数をおかけして申し訳ありませんが」と続けていると、「お~い。どうした?」と指導医がやってきました。この指導医とは日頃の業務でよく顔を合わせており、患者のことやスタッフ間のことなどで話す機会も多く、I看護師にとって話しやすい相手でした。
I看護師が事情を説明したところ、指導医は「僕らはこれから入るIVRのことを考えながら、無意識にガウン着とるからな。介助についてくれるナースは僕らが気づかないこともちゃんと気が付いて教えてくれる。Iさんくらい厳密にやってくれるって、ありがたいで。ちゃっちゃっと取り替えれば済むことや。あとから悔やむよりお安いで」と医師に言ってくれました。医師は「僕のサイズはあんまり在庫がなくて。前のところだと嫌な顔されたけど、ここは違うんですね」と、新しい滅菌手袋に交換してくれました。
I看護師は、患者さんと話す指導医の後ろでデバイスの準備を始めた医師の姿を見ながら、そのままにしないで勇気を出して言ってみて良かった……と思いました。
医師の滅菌手袋を装着した手と自分の手がかすったような気がしたものの、医師に手袋の交換を求めるには躊躇があり、もやもやしたI看護師でした。しかし、すぐに気持ちを切り替えて、医師に手袋を交換するように話しています。
あなただったらどうしますか?
そして、それはどうしてですか?
(IVR看護研究会 青鹿由紀)
<つづく>