第8回 社会の中で生きる患者(問題提起)

第8回 社会の中で生きる患者(問題提起)

2017.11.20 update.

IVR看護研究会

 2000年に発足し、安全安楽かつ効果的に患者がIVRを受けられるようにIVR看護のあり方を検討する場です。放射線科における看護の臨床実践能力を高めるため専門知識や技術の習得、研鑽をめざし、チーム医療における看護師の役割を追究し、また、IVR看護師の専門性を確立するため、継続して学習する場、人的交流の場を提供することを目的としています。

 発足まもなくから開催している研究会(セミナー)は、今年3月で第17回を迎えました。第18回は2018年3月10日開催予定です。

公式webサイト:http://www.ivr-nurse.jp/

Face book @ivrnurse2016

 

◎エピソード

 

D看護師のもやもや

 

 IVR室に配属になって半年が過ぎ、ある程度の業務もこなせるようになった私。

 今日、朝一番の検査は50歳男性の初めての冠動脈造影検査。この患者さんの特記事項はなかったから、穿刺部位はマニュアル通りの右radial(橈骨)でいいわね。

 患者さん到着。

 

看護師「Mさん、おはようございます」

M患者「あっ、どうも」

(表情が固いな。初めての検査だから緊張されているのかな)

看護師「Mさん、これから右手の準備をします」

M患者「……」

看護師「Mさん。検査準備が整いました。今日は初めての検査でしたね」

M患者「あの、看護師さん。こんなこと聞いていいかな。この検査で手に傷はつくのかい? あと、指は大丈夫なのかい?」   

看護師「何か手を使うお仕事されているのですか?」

M患者「寿司を握っている。今、店を閉めてきているから、早く戻りたいんだよ」

看護師「手はとても大事ですね」

M患者「そぅだろう。寿司は鮮度が一番だ。手の温度の感覚で美味しさが決まる。長年通ってくれるお客が待っているんだ。また、寿司を握りてぇんだよ。俺は右利きだから、心配になっちまって」

 

 私、今までマニュアル通り準備をして、検査だけ無事に終わればいいと思ってきていた……。

 検査は短時間で終わるから右手は大丈夫だとは思うけど……。もしも、右手のradial(橈骨)が詰まって美味しい寿司が握れなくなったら、この患者さんの先の人生はどうなるのかな? 穿刺部位1つだけで考え過ぎかな。どうしよう???

 

◎問題提起

 

 今までマニュアル通りに検査準備をしてきたD看護師。この患者さんの不安な思いに触れ、自分が何気なくやっていた看護について立ち止まる機会となりました。 IVR室は多職種と共に検査を進めるため、限られた時間の中、IVR看護師としてどんな看護ができるのか、日々とても悩んでいたときに、この患者さんと出会いました。

 検査室での何気ない会話の中で、何を感じましたか? このIVR室で患者さんのこれからの人生を考える必要はないのでしょうか?

 

(IVR看護研究会 丸山陽子)

 

 

<次回につづく>

 

←第7回はこちら

→第9回はこちら

 

トラックバック

http://igs-kankan.com/mt/mt-tb.cgi/1079

コメント

このページのトップへ