緊急時申し送りカード配布中!

緊急時申し送りカード配布中!

2011.9.07 update.

<座談会の出席者>

安田智美さん(福(島県・ALS患者家族)

千葉芙美さん(宮城県・ALS患者家族)

長谷川詩織さん(福島県・いわき自立生活センター、介護支援専門員)

川口有美子さん(日本ALS協会理事、NPO法人さくら会理事、訪問介護事業所「ケアサポートもも」代表取締役)

 

3月11日の東日本大震災のため、緊急搬送された在宅神経難病の患者さんのなかには、搬送中や搬送後に、地震の直接の影響とは関係なく、亡くなられてしまった方もいます。リレー方式の急な搬送の混乱のなかで、患者さんの生命維持に必要な最低限の情報が搬送者や医療者に伝わらなかったためです。

 

いざというとき、送り手は、何を伝えればよいのか? また、受け手側はどんな情報を必要としているのか?『訪問看護と介護』9月号特集「災害と地域ケア」での座談会「在宅神経難病の災害時支援――災害時対応の常識が通用しない大規模災害に備えて」メンバーに加え、神経内科医の中島孝氏(国立病院機構新潟病院副院長)の協力を得て作成した「緊急時対応カード(ver.1.0)」を、災害時の備えとしてご活用ください。

 

緊急時_card.jpg

 

(『訪問看護と介護』9月号特集「災害と地域ケア」での座談会「在宅神経難病の災害時支援――災害時対応の常識が通用しない大規模災害に備えて」より一部抜粋)

 

川口 それじゃあ、ずっと在宅で?

 

安田 はい。外部バッテリーは1つしか備えていませんでしたし、車から電気を引くような準備もしていなかったので、次に大きな余震が来たときにどうなるかと不安で、かかっている病院に「入院させてもらえませんか?」と問い合わせたのですが、「無理です」と言われてしまいました。沿岸部から避難してきた人たちを受け入れるので、すでにパンク状態だったんです。「じゃあ、うちで頑張るしかない」と。

 

千葉 こちらも、入院するのには、本当に苦労しました。2日経っても電気は復旧せず、バッテリーは持って2日半。訪問看護師さんが、バッテリーが切れてしまったときのために、胃ろうのカテーテルを短く切って口で吸引する方法を教えに来てくれたり、いよいよ不安になってきた。いろいろな人に、入院を勧められました。でも、やはり病院は一杯で救急車もガソリンがないと聞き、問い合わせようにも携帯も固定電話も使えない……。母も入院したがらなくて。

 

そこに、母が英語教師だった時の教え子が家族でやってきて「自分の携帯なら通じる場所があるから」と119番してくれたんです。必死に訴えてくれたようで、おかげですぐに救急車は来たのですが、今度は行く病院がない。救急隊員が、近所の救急病院にかけあってくれて、なんとか入れてもらいました。ちなみに、入院した病室は「手術室」だったんですよ(笑)。私もしばらくはベッドの横の椅子で寝ていました。

 

川口 当初、緊急入院時のヘルパーの付き添いは断られてしまう問題もありました。ALS協会として震災の3日後には厚生労働省の副大臣に申し入れ、OKを出してもらったのですが、あまり周知されなかったようです。

 

長谷川 いわき市では、そのうちに病院も溢れてしまって、うちの利用者さんで入院できた方も、自衛隊のヘリコプターで県外へと散り散りに搬送されていきました。

 

川口 ご家族と離されて、自分だけヘリコプターで運ばれていく患者さんは心細いですよね。

 

安田 報道はされていないのですが、その搬送中に、たとえば酸素が足りなくなって亡くなってしまった方もいるそうなんです。家から送り出す人、病院に搬送する人、ヘリポートに運ぶ人、ヘリに乗せる人、病院で受け入れる人が全員違うので、その混乱のうちに、患者さんの生命維持に必要な最低限の情報すら伝わらなかった。緊急搬送時に誰もがつねに首にかけておけるような申し送りカードが必要だと思いました。

 

川口 それ、作りましょうか(1)。

 

(『訪問看護と介護』9月号より)

 

というわけで、できました☟

 

緊急時_card.jpg

 

 

 

 ☜ダウンロードはこちらから

(記入例は本誌をご参照ください)

 

 

 

 

 

『訪問看護と介護』9月号 イメージ

『訪問看護と介護』9月号

このほか、本座談会では、
・長時間停電時の人工呼吸・吸引への応急対応
・電話等の連絡手段が完全に麻痺した場合の安否確認
・「個人情報保護」等のために伝わってこない仲間の情報をいかに得るか?
・医療者や福祉・介護職からの具体的支援
・原発事故対応の避難訓練
などについて語られています。詳細は本誌をご参照ください。

9月号特集は「災害と地域ケア」。

詳細はこちら

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コメント

日本には言論の自由があると昔、学生の時に習った。人間も50才をすぎるとそんなものあるわけないということも分かるようになりました。震災では、重度の障害者が亡くなっています。TV,ラジオ、新聞も国の都合の悪いことは放送・掲載しないのだろうと思います。私は、統合失調症です。いろいろ自分で調べてみましたけど、震災後の精神障害者の報道は、山口県の私には入ってきません。自然災害で災害弱者は、子供、高齢者、女性、障碍者立ちです。この度の震災では、彼らの情報が新聞、TVなどマスメディアから初めから情報として排除されているように感じました。

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