かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2017.10.23 update.
2000年に発足し、安全安楽かつ効果的に患者がIVRを受けられるようにIVR看護のあり方を検討する場です。放射線科における看護の臨床実践能力を高めるため専門知識や技術の習得、研鑽をめざし、チーム医療における看護師の役割を追究し、また、IVR看護師の専門性を確立するため、継続して学習する場、人的交流の場を提供することを目的としています。
発足間もなくから開催している研究会(セミナー)は、3月16日に第19回を迎えました。記念すべき第20回は、2020年3月7日に開催予定です!
公式webサイト:http://www.ivr-nurse.jp/
Face book @ivrnurse2016
C看護師のもやもや
IVRに部署移動した頃、私はIVRを受ける患者さんのメンタルケアについて悩んでいました。ある研究会に参加した私は、IVRを受ける患者さんのメンタルケアを行うためには病棟看護師との連携が重要であることを学びました。それからは病棟看護師からの申し送りの際に、患者さんが術前に不安に思っていることなどメンタル面を中心に確認をしました。
ところが、病棟看護師からの申し送りの多くは、「特に不安の訴えはありません」と言った内容なのです。術中の関わりで悩むこともあった私は、「どうして病棟の看護師さんはメンタルケアの大切さをわかってくれないんだろう」と疑問を抱いていました。
それからIVR室での勤務も長くなり、病棟看護師向けに交流会を企画したり病棟看護師とのコミュニケーションを取る機会を作ったりしながら、IVRを受ける患者さんの看護の質向上のため自分なりに頑張ってきました。
そんなある日のこと、私は病棟へ異動することになりました。「病棟へ異動したら、IVRを受ける患者さんのために継続看護が提供できるかもしれない!」と考え、期待に胸を膨らませました。
しかし、病棟で勤務するようになり、「IVR室に患者さんのメンタルについて申し送りをしっかりするぞ」と意気込んでいた私は、IVRを受ける患者さんに病棟で関わる時間の短さにびっくりしました。治療前日、もしくは当日の入院で、IVR治療当日に受け持ちとして初めて顔を合わせ、しかも患者さんに会ってから10分足らずで出棟することも少なくありません。患者さんの不安について一瞬の間に察知しなければIVR室に申し送りすることができないのです。
そんな中で、わずかな情報でもメンタルについては申し送りを行いました。でも、IVR終了後の申し送りでは、術前の申し送りが術中看護に生かされていたのかはほとんど触れられません。術中の患者さんに行われた使用薬剤などを含めた医療行為についての申し送りはあります。術後の安静時間だってきちんと申し送りがあります。しかし、そこから考えられる術後の注意点についての申し送りはなく、自分たちがそこから問題点を考えることができなければ、そこで看護は途切れます。
私は、IVRを受ける患者さんにとって必要な継続看護とはいったい何なのか、すっかりわからなくなりました。私たちは何のために互いに申し送りをしているのでしょうか? IVRを受ける患者さんの継続看護っていったい何なのでしょうか?
IVRを受ける患者さんにとっての継続看護とは、どんなことを意味しているのでしょうか?お互いの役割やそれぞれの場所で行われている看護がわからなければ、継続看護が機能しないかもしれませんね。
私たちはなぜ申し送りを行っているのか、そしてそれは誰のために行っているのでしょうか?
(IVR看護研究会 浅井望美)
<つづく>