かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2013.7.11 update.
滋賀県堅田看護専門学校で、学生の皆さんが『幻聴妄想かるた』に取り組んでくれたという情報を受けて、
かんかん!はさっそくHPを見せていただきました。
するとそこにはこーんな画面が。
2年生の、学生図書委員会の皆さん6人が体験してくれたそうです。
きゃぴーん。うれしいパン。
実際のサイトはこちら http://www.katata-kango.ac.jp/new/pg2090/
DVD鑑賞は図書室で。
↓かるたを体験した学生さんが書いてくれた感想だパン。
●『幻聴妄想かるた』にふれて、感じたことや考えたことを自由に記入してください。
①幻聴や妄想には、マイナスの内容しかないと思っていたのですが、今日かるたをしてみて、プラスの妄想もあることを知りました。でもマイナスの幻聴・妄想は、日々の生活をすごくじゃましていて、つらそうだなと思いました。
②皆でかるたをしながら、「ん~わかる~」「あ~なるほどな」「そうなんや…」とか、共感できるところがありました。幻聴・妄想で困っているものだと思っていたし、それがなくなれば、悩み・苦しみから解放され、生活しやすくなると思っていましたが、慢性期の方にとっての幻聴・妄想は、逆になくてはならない生活のパートナーであり、切り離しては生活できないことを知りました。
③かるたをしてみて、精神の世界のことがよくわかった自分と、よくわからなくなった自分がいました。よくわかるような句もあれば、何を言っているのかわからない句もありました。けれど、精神の世界について学んでみたいなという気持ちが強くなりました。
④カルタを実際にやってみて、書かれている言葉はどういう意味なのか、すごいな、おもしろいな、などと感じました。なかには共感できるものもあり、自分と同じような思いもあるのだなと思いました。少しつらかったり悲しかったりする想いが伝わってくるものがある一方で、プラスな内容なものもあるのだなとわかりました。当事者の方たちは、幻聴がある世界に生きておられるわけですが、抜け出せないとはどういうことなのか、どんな感覚なのか、少し知ってみたいなとも思いました。
⑤精神に障害をかかえる方のさまざまな幻聴や妄想に驚きました。理解するのが難しい句もありましたし、つらい思いを読んだものに切なくなったり、ユニークな表現に思わず笑ってしまったりしました。いろいろな感情を持ちながら楽しく経験させていただきました。
●DVD『幻聴妄想かるたの生まれた場所』を観て、感じたことや考えたことを自由に記入してください。
①実際にDVDを見てみることで、精神に疾患をもつ人というのはどういう人たちなのか、どのようなことを考えておられるのか、さらに幻聴妄想かるたが出来た経緯も知ることができました。また、精神科看護は人の心にかかわるので難しいという思いもありますが、今まで自分が実習で行ってきた身体的援助以外に、“心に寄り添う”という形で、どういう援助やかかわりができるのかを考える機会になり、精神看護学の実習ではより深い学びがしたいと思いました。
②思っていたよりも普通に生活しておられて、幻聴・妄想と共存しているという印象を持ちました。私はもっと静かで話さないか、うなされているような状態なのだろうというイメージを持っていたのですが、そのようなことはなく(もちろん安定している方々ということもあると思いますが)、私のなかにあった偏見が少しなくなりました。
③日常生活において、幻聴・妄想による悩みや苦しみがどのようなものかを知ることができました。しかし、幻聴・妄想の内容は理解しづらかった、というのが正直なところです。利用者さん自身も、幻聴・妄想についてわかってはいるけれども、なんとなくであったり、はっきりしたものではないのかなと思いました。
④DVDを観るのは2回目でしたが、1回目よりも、かるたを作った人の言葉を少しだけですが理解することができました。精神疾患を持つ人のことを授業で聞いてはいたけれど、実際に見たのは初めてだったので、このDVDを見てすごく良かったと思いました。
⑤ご本人たちには、幻聴・妄想の世界が確かなものとしてあるのだなと、DVDを見て改めてわかりました。実際の体験があって、その体験とつながって幻聴が聴こえてくると言っておられました。「そうなんだぁ」と思いましたが、少し不思議な感覚だと思いました。
⑥幻聴・妄想を言葉に出して伝えることができる場があったり、支えてくれる人や仲間と共に悩めるミーティングの場があることは、精神に障害を持つ方々にとってかけがえのないものなのだろうなと思いました。
最後にみんなで記念写真。在宅看護実習室でかるた取りをしたので、
彼女たちの後ろにベッドへ横たわるモデル人形のフィジコさんが写り込んでいる…。
●学生図書委員会で『幻聴妄想かるた』に取り組んだ感想を自由に記入してください。
①カルタを通して幻聴・妄想にふれてみることで、楽しみながら精神について学びを広げられたと思います。カルタの後、実際に精神の現場でお仕事をされていた先生のお話を聞けたことも印象的でした。看護師としてこれからどのような患者さんとかかわろうとも、精神看護はベースとなる重要なものだと感じたので、より知ってみたいと感じました。
②話で聞くだけではなく、DVDを見たり、カルタをしたり、行動しながら学ぶことで、よりイメージしやすく、楽しく学べたと思います。今日見たDVDの登場人物たちが、精神疾患を持つすべての人と同じというわけではないと思うので、これから実習へ行った際に、今回学んだことを1つの見方として持っておき、さらなる学びにつなげたいと思いました。
③かるたを、単なる遊びで終わらないようにしていただいたことが良かったです。
④『幻聴妄想かるた』というかるたがあることに驚きました。
⑤かるたに取り組んでみて、幻聴や妄想がどんなものかということがわかったし、先生や参加した皆との意見交換を通して、精神看護の世界にとても興味が湧きました。最初は自分とつながりをまったく感じられない、よくわからない世界という考えでしたが、かるたを通して身近なものに感じることができました。
⑥DVDを観たことで、当事者の方にはそんな幻聴が聞こえるんだ、そんな妄想をされるのだと知って、驚くこともありましたが、それと同時に面白いなとも思いました。かるたをする前に比べて精神看護に興味を持つことができました。先生が、これから病院実習で出会う患者さんはDVDのハーモニーの方達よりもう少し重症の方たちだと言っておられたので、怖い気持ちや不思議に思うことも多いかもしれませんが、少し実習が楽しみになりました。
これを読んでかんかん!は、看護学校でますます『幻聴妄想かるた』を使ってほしいと思ったパン。
これが本物の幻聴妄想の世界だ!!
東京・世田谷のハーモニー(就労継続支援B型事業所)が、自分たちの幻聴妄想の実態をかるたにした。彼らの幻聴妄想の世界を知ることは、共存の意味を学ぶことである。解説冊子と、DVD『幻聴妄想かるたが生まれた場所』に加えて、女優の市原悦子さんによる『読み札音声』CDが付録になった豪華版。