WOCナースが教える 快適!ストーマ生活 食事について

WOCナースが教える 快適!ストーマ生活 食事について

2012.8.02 update.

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松浦信子

がん研有明病院看護部WOC支援室師長・WOCナース。1993年、慈恵第三看護専門学校卒業後、慈恵第三病院入職。98年、米国テキサス大付属MDアンダーソンキャンサーセンターにてWOCN(Wound, Ostomy and Continence Nurse)スクール修了。同年、癌研究会附属病院(現がん研有明病院)入職、ストーマリハビリテーション室(現WOC支援室)にてストーマ保有者の療養支援に携わる。04年より現職。

 

「ストーマをつくるとこれまでと同じように暮らせなくなる」という不安をお持ちの方は少なくないと思います。

しかし、ポイントを踏まえて工夫をすれば、日常生活はもちろん、仕事やスポーツ、海外旅行まで含めて、ストーマとともに、快適に過ごすことが可能です。

 

(本記事は松浦信子・山田陽子 著『快適!ストーマケア 日常のお手入れから旅行まで』

からの抜粋です。 )

 

 

 ストーマをつくったことによって、特に食事が制限されることはありません。他の病気(高血圧、糖尿病、腎不全、クローン病など)で食事を制限されていないかぎり、手術前と同じ食事が楽しめます。ただし、食品の種類や食べる量によって、ストーマから出るガス(おなら)の量やにおい、便の形などが変わりますので、その調整や健康維持のためにも、バランスのよい食事を心がけましょう。

 

結腸ストーマの方の食事

 

 食事内容によって便のにおいやガス(おなら)が気になり、日常生活が制限されるといったことのないよう、装具やケアを工夫しましょう。

 

小腸ストーマの方の食事

 

 食べたものが大腸を通らずにストーマから出てくるため、水分や電解質が吸収されず水っぽい便(いわゆる下痢)が多量に排泄されます。1日およそ5から6回トイレに行くのが普通です。ミネラルを多く含んだ水分(スポーツドリンク、栄養補助食品ゼリー、昆布茶など)をとるように心がけましょう。

 また、繊維質の多い食品や消化の悪い食品を一度にたくさんとるとストーマの出口で便が詰まることがあります。よく噛んで、適度な量をとるようにしましょう。

 なお、夏場など汗を多量にかいた場合は、水分をとっていても気づかないうちに脱水症状になりやすいため、注意が必要です。次の症状が見られたら医師に相談しましょう。

 

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尿路ストーマの方の食事 

 

 尿路感染を予防するために、1日の尿量が1500から2000mL程度になるよう、水分摂取を心がけましょう。

 

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食事とにおい

 

 ストーマから出る排泄物やガス(おなら)は、表のように食事による影響を受けます。また、ストーマの種類によってその影響は異なります。

 

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アルコールは控えたほうがいい?

 

 アルコール類の摂取は可能ですが、ご病気や治療の状況によっては控えたほうがよい場合があります。医師に確認しておきましょう。お酒の種類や量によっては、ガスが多く発生したり、翌朝便がゆるくなることもあります。

 

便秘への対応

 

 手術後半年以内は、手術の影響で腸の調子が乱れ、便秘や下痢などさまざまな症状を起こす可能性があります。便秘傾向のある方はこの間、便秘になる可能性が高いですが、お腹が張る、吐き気、嘔吐などの症状がないかぎり2~3日様子をみても大丈夫です。それ以降も便秘が続く、あるいは症状が改善しない場合は医師に相談してください。

 便秘はバランスの悪い食事、水分不足、薬の副作用、過度の緊張やストレス、運動不足など、さまざまな原因で起こります。快適に過ごすためには生活習慣を見直しましょう。

 

外食での注意点

 

 一般的に外食は油分が多く腸の動きを妨げることがあります。どんぶりものではなく、定食のようにさまざまな食品が少量ずつ含まれるメニューを選ぶとよいでしょう。

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