冷え性対策に生姜はいかが?

冷え性対策に生姜はいかが?

2011.12.27 update.

澤田江里子 イメージ

澤田江里子

トータル・コミュニケーションズ(株)管理栄養士


大学卒業後、病院にて勤務。管理栄養士取得後、調理現場、栄養指導、NST、嚥下食に携わり「食」の大事さを学ぶ。退社後サプリメントを勉強しサプリメント管理士取得後、老人ホームへ入社し栄養課リーダーを務める。その後トータル・コミュニケーションズ(株)へ入社。現在は健康・栄養PR業務に従事。

「就活」シーズンが始まりました。他にも「婚活」や「昼活」、「温活(身体を冷やさないように温める活動)」も流行っています。冬になると冷え性対策として食べ物に気を使っている方も多いのではないでしょうか?

 

食材としては基本的に「土から下に生える野菜(人参・ごぼう・大根・かぶ等)」や、「冬野菜(白菜・かぼちゃ)」等は体を温める働きがあり、「レトルトなどの加工食品」「夏野菜(レタス・キュウリ・トマトなど)」「アルコール類」「糖質」は体を冷やすと言われています。

ここ数年、体を温めるとして注目されている食材の1つに「生姜」があります。生姜は使い方によって成分が変わるので、今回は生姜について少しお話ししたいと思います。

 

生の生姜はジンゲロールという成分を多く含みます。ジンゲロールは免疫細胞を増やしたり、殺菌効果、鎮咳作用や鎮痛作用があることが解明されているため、喉風邪の時にオススメです。また、手や足の末端の血管を広げる作用があり、手足が温まります。この時、一時的に手足は温まりますが、体の深部から末端に熱を送るため、深部の体温は少し下がります。中国の薬学書には(本草綱目)「生の生姜は解熱作用がある」と書かれていますので、冷え性の方にはこの食べ方はオススメできません。

 

さて、生の生姜を加熱するとジンゲロールがショウガオールに変わります。ショウガオールは深部から血管を広げたり、血行をよくします。体が深部から温まるので、冷え性で悩む方には加熱した生姜がオススメです。

 

生姜を上手に活用するためには保管方法にも注意が必要です。生姜は10℃以下になるとジンゲロールの成分が減ってしまうので新聞紙に包むか(使いかけの生姜は乾燥を防ぐため、濡れた新聞紙に包み、容器に入れる)、スライスした生姜を天日干しにして乾燥させ、常温保存しましょう。とくに乾燥した生姜はジンゲロールとショウガオールの両方の働きをするので、全身を温めてくれます。

 

今回は体を温める食材をご紹介しましたが、毎日、毎食、体を温めるものばかりとっていればよいのかというとそうではありません。

食事はバランスが大事なので、基本的には炭水化物、たんぱく質、脂質、野菜などのビタミン・ミネラル・食物繊維をバランスよく食べ、その中で調理方法や食材に注意するとよいでしょう。

 

たとえば、トマトは夏野菜ですが、ミネストローネのように温かいスープにしたり、加熱してスパゲッティーのソースにしたりするなど工夫をすることがオススメです。ビールやウイスキーは体を冷やすので、アルコールがお好きな方は日本酒の熱燗やホットワインなど工夫をするとよいでしょう。

 

レシピ

 

生姜を使って簡単に作ることが出来る「生姜とかぶのスープ」のレシピをご紹介します。

 

【生姜とかぶのスープ(2人分)】

 

TCI_12.jpg

 

ハム 1枚・・・短冊切り

玉ねぎ 1/4個・・・スライス

かぶ 2個・・・一口大のイチョウ切り

生姜 10g・・・せん切り

かぶの葉 少々・・・みじん切り

油 小1/2

水 240ml

固形スープの素 1個

しょうゆ 小1

こしょう・・・少々

 

《作り方》

one 鍋に油をひいてハムと玉ねぎを炒める。

two oneにある程度火が通ったら水とかぶ、固形スープの素を入れて煮込む。

three かぶが柔らかくなったら生姜とかぶの葉を入れてしょうゆとこしょうで味をととのえる。

 

***

 

12の「食」のお話、ということで、今回で12回目(最終回)となりました。少しでもお役に立ちましたか? 1年間、あっという間でした。この「あっと言う間」が10回過ぎると10年経ってしまいます。怖いですね。

 

今日の自分の身体は今まで食べてきた食事と、今まで過ごしてきた生活習慣で作られています。

 

10年後の身体はこれからの10年の食事と生活習慣で作られます。10年後も「今のまま」でいられる人はほとんどいません。今から健康に注意して未来の自分が健康でいられるように、今日から少しでも食事や生活習慣に気をつけていただけたらと思います。

 

12回の中で、「良質なたんぱく質」という回のアクセス数が一番多かったと伺いました。これからもニーズに合わせて食事面からの情報提供が出来たら、と思っています。12回お付き合い頂きましてありがとうございました。来年も皆様とどこかでお目にかかれたら嬉しいな・・・・と思いつつ。

 

よいお年をお過ごしください。

このページのトップへ