かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2011.11.09 update.
トータル・コミュニケーションズ(株)管理栄養士
大学卒業後、病院にて勤務。管理栄養士取得後、調理現場、栄養指導、NST、嚥下食に携わり「食」の大事さを学ぶ。退社後サプリメントを勉強しサプリメント管理士取得後、老人ホームへ入社し栄養課リーダーを務める。その後トータル・コミュニケーションズ(株)へ入社。現在は健康・栄養PR業務に従事。
11月14日は世界糖尿病デーです。
糖尿病は世界の成人人口のおよそ5~6%となる、約2億4600万人が抱えている病気です。死に至る病気とは思われていませんが、悪化すると合併症による死亡率が高くなります。日本でも糖尿病が増加傾向にあり、日常の生活習慣が糖尿病予防の重要な鍵と言えます。
ご存知のように、糖尿病というのは血液中の糖分が高い状態が続くことを言います。普通、食事をすると食事の中に含まれる糖質が消化吸収されて、血糖値が高くなります。この時、体内では、血糖を下げようと「インスリン」というホルモンが分泌されます。このインスリンが出ない人(1型糖尿病)やインスリンの量が少なくなったり、効きが悪くなる人(2型糖尿病)は血液中の血糖値が高い状態が続き、HbA1cや血糖値の基準を超え、糖尿病と診断されます。
糖尿病になると、急激に血糖が上がるような糖分の多い食物を食べる時間や食べ方に注意したり、血糖が高い状態が続かないようにしたりするための「食事療法」が必要です。
食事療法の基本は「バランス」で、成人の食事によるエネルギー配分としては炭水化物55%、たんぱく質20%、脂質25%と言われています。 たとえば、1食600Kcalの場合、 炭水化物(主にご飯)で330kcal、たんぱく質(おかず)で120kcal、脂質で150kcalとなります。
たんぱく質や脂質は見た目では量が分かり難いと思いますが、お昼に600kcalのお弁当を買いにいくとき、容器の半分程度のご飯(200g程度)、鮭(切り身1匹)、残りはサラダ+ドレッシングや野菜の煮物というイメージです。
多いと感じましたか?少ないと感じましたか? ご飯の代わりにパンを食べると、パンの種類によってはたんぱく質や脂質が多く含まれていることもあります。たんぱく質や脂質のエネルギー比率は目で見てもわかりにくいので過剰摂取にならないように注意が必要です。
また、糖尿病には「食物繊維」を沢山とると良いと言われています。それは何故でしょうか?
糖尿病の食事療法は糖尿病の方だけによいものではありません。生活習慣病予防のためにもバランスのよい食事は重要です。炭水化物・たんぱく質・脂質をバランスよくとり、食物繊維を沢山とりましょう。そして1日3食しっかり、ゆっくりよく噛んで食べ、健康維持に努めましょう。
【ごぼうとこんにゃくのピリ辛煮(4人分)】
(食物繊維約3.2g/人)
<材料>
ごぼう120g・・・約2/3本
こんにゃく180g・・・約1枚
油 大1
だし汁 200cc
みりん 大2
しょうゆ 大2
(砂糖 小2)
唐辛子 適宜
<作り方>
ごぼうは0.5cm幅の輪切りにし、こんにゃくは1cm幅のサイの目に切る。
少量の油を鍋に入れ、ごぼうとこんにゃくを軽く炒める。
だし汁、みりん、しょうゆ、唐辛子を入れてお好みで砂糖を加えて10分程度煮る。
煮汁が少なくなったら火を止めて40分置く。※一度冷やした方が味が浸み込む。
食べる前に再度加熱してできあがり。
【ほうれん草ときのこの胡麻和え(4人分)】
(食物繊維4.0g/人)
<材料>
ほうれん草 1把
しめじ 1袋
すりゴマ 15g
しょうゆ 大4
みりん 大2
<作り方>
ほうれん草としめじは別々に茹でて水気を絞り、食べ易い大きさにカットする。
すりゴマ、しょうゆ、みりんを混ぜ合わせ、と和えてできあがり。