12.24up!がん患者のための食事レシピNo.003

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■レシピNo.003 がんも焼き風あんかけ

 

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(写真上:嚥下食用/写真下:通常食)
 
対応
食欲不振、嚥下困難、歯が悪い方、エネルギーアップを期待したい場合、豆腐が嫌いな方。 
 
レシピの背景
放射線療法施行後、咽頭痛、嘔気による食欲低下の患者さんに出したメニューです。「食欲がどうしてもない。豆腐は好きだったけど、こう毎日のように冷奴、湯豆腐が続くとうんざりする」という不満を解消したいと考えました。
 
管理栄養士としての患者さんとの関わり
初めて会ったとき、とても寂しそうな顔が印象的な患者さんでした。がんばって食べようという気持ちはあるけど、食欲がでない。長く入院していると、同じような献立がグルグル回ってくるので飽きてしまう。入院生活が長くなっているためか、気分も落ち込んでいる様子。患者さんが気になっていることを話すだけでも気分は楽になると思い、食事のこと以外でも話をしながら、新しい豆腐の料理を考えました。
 
嚥下食でよく使われる豆腐にひと手間加えてみると、見た目が変わり食欲もアップしました。
 
 
レシピ(3人分) 
一人当たりエネルギー167kcal、たんぱく質12.2g、塩分1.4g
<材料> 
 ・豆腐    200g (1/2丁)
 ・長芋    60g
 ・枝豆    10g
 ・人参    15g
 ・鶏ミンチ肉 90g
 ・しょうゆ 10cc 、だしの素 適宜、塩 0.5g、砂糖 大さじ1
 ・だし      150
 ・片栗粉    大さじ1杯
 ・サラダ油   大さじ1杯
 ・(ムースゼリーパウダー※)
 ・薄口しょうゆ 小さじ1杯強    
 ・片栗粉     大さじ1杯     薄味のあんかけ用     
 ・だし汁       150cc
   
 
<作り方>
 
(1)豆腐はよく水を切り、すり鉢でつぶし、鶏ミンチ肉と混ぜ合わせる。枝豆、人参はみじん切り、長いもはすりおろす。(噛みにくい人には野菜をすべてミキサーにかける)
(2)(1)をすべて混ぜ合わせ、片栗粉を加えて混ぜる。(カロリーとたんぱく質をアップしたい人にはムースゼリーパウダーも混ぜる)
(3)油を塗ったアルミカップに(2)を入れて10分間蒸す。大量調理の場合は、コンベクションオーブンで蒸し焼きにする。(170℃)
(4)焼きあがったら、器に盛ってあんをかける。
 
※ムースゼリーパウダー 粉末栄養食品(かつお風味)(キッセイ薬品工業)
嚥下困難なために食が細くなった方に嚥下に配慮しつつ、エネルギー、タンパク質、亜鉛を強化したムースの素です。今回はつなぎに使用しましたが、おかゆに添加しても栄養状態の改善が望めます。
 
患者さんの反応
「いつも出てくる湯豆腐や冷奴の豆腐料理より美味しかった。時には、こうやって違った豆腐料理が出てくると飽きなくていいな」
 
アレンジのアイデア
患者さんの嚥下状態に合わせ、長芋と片栗粉の割合で柔らかさを調整する。長芋を増やすとトロトロ柔らかいものができ、片栗粉を増やすと弾力があり口の中でまとまりやすいものになります。
 
柔らか煮の野菜(例えば、じゃがいも、かぼちゃ、里芋、白菜やほうれん草の葉先など)を使用し目先の変わったものを出すように心がけます。噛むことや嚥下に問題のない方は、枝豆を粒のまま、野菜を飾り切りにして盛り付けると彩りが綺麗です。
 

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このページは、igs-kankanが2010年12月24日 09:20に書いたブログ記事です。

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