かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2011.9.28 update.
1981年北海道大学医学部卒。同第2外科入局。医学博士。2年間のフランス留学をはさんで、心臓外科・血管外科の第一線で活躍。
最近は、動脈硬化性疾患についての啓発活動や看護師教育にも力を注いでいる。
心電図が苦手なナースを救済するために、北日本心電図教育研究会を主宰。
『かんたんポイント心電図』の奥出先生による心電図クイズ、
いよいよ最終回!
今回は難易度★の問題から。
難易度★★★の【問題11】にもチャレンジしてみましょう♪
【問題10】 難易度 ★
55歳の女性、重いものを運んだりすると胸痛があるとして受診。
心電図をとったところ、STに変化はなく、筋肉痛や神経痛が疑われると考えた。
この判断は、正しい? 誤り?
答えは2ページ目へ↓
答えと解説
この心電図は正常です。
しかし労作性狭心症の場合、非発作時にはST変化がない場合も
多いので心電図だけでは否定できません。
狭心症では、運動などで心臓がたくさんの血液必要とした時に、
冠動脈が細いために充分な血液が届かないために症状が出ます。
したがって、安静時で症状がない時の心電図では全く正常のこともあるので安心できません。
症状がはっきりあって労作性狭心症が疑われる場合には、
運動負荷心電図やホルター心電図などで発作時の心電図を捕まえて
STの低下を見ることが重要になります。
次の問題→ 【問題11】 難易度★★★
心電図なんて全然わからないよ(><)という方には、もっと簡単に解説したこの本がオススメ!
著:奥出 潤
A5判/192ページ/定価2,520円(本体2,400円+税5%)