かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-

2011.9.14 update.
1981年北海道大学医学部卒。同第2外科入局。医学博士。2年間のフランス留学をはさんで、心臓外科・血管外科の第一線で活躍。
最近は、動脈硬化性疾患についての啓発活動や看護師教育にも力を注いでいる。
心電図が苦手なナースを救済するために、北日本心電図教育研究会を主宰。
『かんたんポイント心電図』の奥出先生による心電図クイズ!
		今回は難易度★★の問題です。
		早速、チャレンジしてみましょう♪
【問題9】 難易度 ★★
70歳の女性、入院時心電図
V1~4でQ波を認めたので、急性心筋梗塞の診断ですぐにドクターに連絡した。
この判断は、正しい? 誤り?
答えは2ページ目へ↓
答えと解説
		V1~4でQ波がみられ心筋梗塞の診断ですが、STの変化はなく、梗塞は古いものと考えられます。
		患者さんの症状やバイタルを確認したうえで、余裕をもってドクターに相談してよいでしょう。
急性心筋梗塞の心電図診断では、「Q波」よりも「ST上昇」と覚えましょう。
		最近の技術の進歩により心筋梗塞は早期であれば再潅流治療といって、
		風船やステントなどで詰まった部分を通して血流を再開させることで、
		良い成績が得られるようになってきています。そのためには、できるだけ早い段階で診断をつけることが必要となるわけです。
		下の図に示したように、心電図変化の時間経過をみていくと、
		急性心筋梗塞のごく初期にはSTの上昇がみられ、
		それが改善するとともにQ波が目立ってきて、最後にはQ波だけが残るというパターンを示します。
		したがって、Q波の段階で治療を開始することが重要なのです。

心電図なんて全然わからないよ(><)という方には、もっと簡単に解説したこの本がオススメ!
 
著:奥出 潤
A5判/192ページ/定価2,520円(本体2,400円+税5%)