毎年恒例の日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会。
第16回となる今年も、「脳卒中」「口腔ケア」「食形態」「栄養」「チームアプローチ」「地域連携」など様々な項目について、講演やポスター発表が行われておりました。
■ 口腔ケアと誤嚥性肺炎
看護師が関連する分野で多く目に入ったのは、誤嚥性肺炎について。
色々なテーマの講演のなかで触れられており、摂食・嚥下リハビリテーションを進めるにあたってのトピックスであることが感じられました。
1日目の最後に参加した交流集会「摂食・嚥下看護認定看護師に聞いてみよう」では、いくつかのテーブルに分かれて、相互交流しやすい形で摂食・嚥下看護のテーマの発表がなされましたが、そこでも「誤嚥性肺炎の予防」目的での口腔ケアについて触れられていました。
口腔ケアのやり方や、歯周病と誤嚥性肺炎やVAP、がん、糖尿病といった全身疾患の関係について興味ある方はぜひ『看護学雑誌』2010年9月号をご覧ください。
個人的に気になったものとしては、2日目の「口腔ケア・咽頭ケア」のいくつかの講演。咽頭ケアについての発表数はまだ少ないですが、会場内の立ち見はおろか会場外のモニターを見るのも大変な人だかりでした。皆さんの興味も高いことが伺えます。
■ 食形態と栄養
また、「食形態」は講演やポスター発表の数も多く、患者さん一人ひとりにあわせた食べやすい食事を提供することへの関心の高さがうかがえました。
「栄養」の講演も、管理栄養士さんや看護師さんの注目を集めていました。患者さんの栄養状態は、摂食・嚥下のリハビリテーションを成功させるためだけでなく、他の様々な要因にも結びついているので、興味のある方は多いのではないでしょうか。
ちなみに、弊社の、栄養サポートの基本がこの1冊でわかる臨床栄養ガイドの決定版 『JJNスペシャル 「治る力」を引き出す――実践!臨床栄養』も会場持ち込み分は売り切れ。アセスメントやモニタリングではとくに何をみたらいいのか? 輸液・栄養剤投与を安全確実に実施するには? 合併症やトラブルの予防・対策は? などなど、NST活動のみならず、“毎日の栄養管理”にも役に立つビジュアルな実践書です。興味のある方はぜひお手にとってみてください。
■ 企業ブース
「食形態」「栄養」への関心の高さは、大きな学会につきものの広大な企業ブースへ行っても実感できます。それぞれ試食ができたり、営業の方が製品の特徴について詳しく教えてくださるので、患者さん一人ひとりに合わせた食事を検討するのに役立ちます。
病院にも業者の方がお越しだとは思いますが、多くのメーカーが一箇所に集まっているので比較もしやすく、新しい良いものを見つけられるかもしれません。学会へ行ったら、講演だけでなく企業ブースにも訪れてみると楽しいのではないでしょうか。
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