こんな本もあるよ!
『医療者のための伝わるプレゼンテーション』
学会発表、多職種カンファレンス、患者教育…
さまざまなプレゼンテーションの場で、医療者の「伝える力」が求められています。
プレゼンテーションを成功させるために重要なのは、実施前のデザイン。
そのデザインから、発表後の評価までを5つのステップに分けて解説します。
3+2STEPでプレゼン力UP!
はじめてプレゼンテーションを学ぶ人でも、経験はあるけどスキルを伸ばしたいという人でも、まず、どこから手をつけていいのかわからないという問題があると思います。
プレゼンテーションをただ行うだけならスキルを知らなくてもできますが、効率的に成長するためには、全体的枠組み、つまりフレームワークが重要となります。
設計図なしでは家を建築できないのと同じように、枠組みなしでは上手なプレゼンテーションはできないんです。
逆に言えば、枠組みの作り方さえ知れば、これまで苦手だった人も、伸び悩んでいた人も、効率的に成長できるようになります!
臨床現場でも、プレゼン力は役に立つ!
プレゼンテーションスキルは、学会などでの発表以外でも役に立ちます。
医療は、患者さんをはじめとする「人」との接触をベースなりたっていますよね。
昔の武士は刀や武術で交わったかもしれませんが、今の時代、人と人とを繋ぐのは言葉がベースになっています。
そしてその言葉を、いかに的確に伝えるかというのがプレゼンテーションです。
そういう意味では、医療の世界は、毎日がプレゼンテーションの実践の場だと思います。
プレゼンが下手だとこんな問題も…
私がプレゼンテーションスキルを学ぼうと思ったのも、臨床での失敗体験がきっかけでした。
研修1年目のときなんですが、たとえば
「この点滴を6時間おきにお願いします。
点滴1本を1時間で落としてください」
といったお願いを、口頭や指示簿に書いて伝えることは、医療者の日常業務ですよね。
私はそれが、本当に下手だったんです。
指示がわからないといわれて、再度説明を繰り返しているうちに、仕事が滞ってしまうことが少なからずありました。
結構、深刻な問題になるレベルだったんです。
看護師から「先生の言ってることよくわかんないよ!」って言われるだけじゃなく、
指導医からも「ちゃんと的を得て話せ」と言われました。
それがトラウマになっていて、今でも時折その指導医の顔が脳裏に浮かぶほどです(笑)。
短い時間で、重要な情報は逃さず、効果的に患者さんの重症度を伝えるためにも、プレゼンテーションスキルが役立ちますよ!
齊藤 裕之 先生 (同善会クリニック副院長) profile
川崎医科大学附属病院総合診療部、麻生飯塚病院(2003年ベストレジデント受賞)、奈義ファミリークリニック、東京医科大学病院総合診療科助教(院内ベスト指導医を2回受賞)を経て現職。
2007年より、家庭医療学会指導医養成セミナー、日本家庭医療学会学術集会、医学生・研修医のための家庭医療学夏季セミナーなどで「プレゼンセッション」を開催し、好評を博す。
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