かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2011.8.03 update.
1981年北海道大学医学部卒。同第2外科入局。医学博士。2年間のフランス留学をはさんで、心臓外科・血管外科の第一線で活躍。最近は、動脈硬化性疾患についての啓発活動や看護師教育にも力を注いでいる。心電図が苦手なナースを救済するために、北日本心電図教育研究会を主宰。
『かんたんポイント心電図』の奥出先生による心電図クイズ!
今回は難易度★の問題3から。
難易度★★★の問題4にもチャレンジしてみましょう♪
【問題3】 難易度 ★☆☆
45歳の女性。肺炎疑いで入院。入院時心電図
基線が細かくゆれており、心房細動と考えられるので、ドクターに報告するべきである。
この判断は 正しい? 誤り?
答えは2ページ目へ↓
基線に細かい振動がありますが、注目すべきは
QRSがほぼ規則的であること
T波にも振動が及んでいること
などです。さらによく見るとそれぞれのQRSの前にはP波が見つけられるでしょう。
これは、筋電図が混入していることが疑われます。
発熱していてシバリングを伴うときなどには、筋電図が入りやすい状態です。
暖かく適度な湿度の部屋で、できるだけリラックスした状態で、
心電図をとるように心がけましょう。
また、この心電図では「ハム・筋電フィルター」がオフになっていました。
最近の心電計では多少の雑音をデジタル処理して除くことができるように
なっています。
一般の心電図ではこの「ハム・筋電フィルター」をオンにしてとるように
してください。
フィルターON (同じ症例)
心電図なんて全然わからないよ(><)という方には、もっと簡単に解説したこの本がオススメ!
著:奥出 潤
A5判/192ページ/定価2,520円(本体2,400円+税5%)
心電図の読み方、とり方、伝え方がわかる! もう心電図は怖くない!
新人ナースのアキちゃんは、心電図が大の苦手。でも、Dr. Oが臨床に必要なポイントだけをわかりやすく教えてくれるから大丈夫! 読み進むうちに、心電図のしくみから診断までが自然に理解できる。これから心電図を学ぶ人にも、心電図の知識をもう一度整理したい人にもぴったりの1冊。