横道誠の当事者研究体験ゲーム

横道誠の当事者研究体験ゲーム

2021.2.17 update.

横道誠(よこみち・まこと)=イラストも イメージ

横道誠(よこみち・まこと)=イラストも

1979年生まれ。京都府立大学の准教授で、専門はドイツ文学研究・比較文化研究。
子どものころから「稀代の変人」として、生きづらさに苦しむ。能力の凸凹(でこぼこ)が激しかったが、研究能力に秀でていたため、長年医学的な診断を受けずにいた。
だが40歳のときに二次障害を起こし、41歳でついにASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の診断を受ける。
2021年に上梓する予定の当事者研究の本(ほぼ自伝?)の『みんな水の中』(シリーズケアをひらく、医学書院)が初の単著単行本。
Twitterアカウント https://twitter.com/macoto_y


(注)本作品に登場する人物や問題は、特定の個人をモデルとしていません。

 
[001]
ぼくは20歳の大学生。レンツと名乗っておこう。きょうは前から興味があった当事者研究に初めて参加する日。街の外れにある市民センターの部屋のなかで、開始時間を待ちながら座っている。続々と人が集まってくる。全員で10名弱。司会者らしき髭の生えた中年男性が、話しはじめる。
 
馬琴

当事者研究会「銀河」にようこそ。まずは「銀河の掟」、つまりこの会のルールについて説明します。

中年男性の隣にいる中年女性がホワイトボードにマジックペンで「銀河の掟」と記入していく。司会者は、その様子を見やりながら話しつづける。
 
 
馬琴

まずは「自分自身で、共に」――参加者各自が自分の問題は自分で背負うということ、ただし同じように苦しんでいる仲間の力は遠慮せず借りましょうということ。

「傾聴」――周囲の人の話によく耳を傾けましょうということ。ほかの人の話が、自分の苦労へのヒントになることがよくあります。

「守秘義務」――このような自助グループは大概そうですが、ここで聞いた話は原則として他言無用、SNSなどに書きこむのも禁止ということ。とはいえ、一般的な情報や経験に基づいた知恵などは自由に御活用ください。

「入退室自由」――気分体調が悪くなることもあると思いますから、出入りはいつでも自由になさってください。

「自分にも他人にも優しく」――苦労を抱えていると、自分に厳しくなったり他人に厳しくなったりしやすいですが、優しさを大切にしましょうということ。

 

それから「他者を否定しない」「説教しない」「上から目線で助言しない」という3つの「ない」。よろしくお願いいたします。
 


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[010]

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[004]

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[002]
ぼくは答える。
 
レンツ
レンツ

深刻ではありませんが、あります。元カノとの関係も恋愛依存の傾向があった気がします。

 
馬琴さんが質問してくる。
 
馬琴
馬琴

具体的なエピソードはありますか。話せる範囲で良いのですけれども。

 
レンツ
レンツ

たとえばLINEの返事をじーっとひたすら待って、授業中も心ここにあらずでした。未読スルーや既読スルーが怖くて。

 
玲

それはSNS疲れをしますね。

レンツ
レンツ

SNSはどれも雰囲気が苦手なので、LINEを除いてやっていません。「いいね」を義務的にしている人も多くて、息苦しくなります。でも、御指摘のとおり、ぼく自身も誰かからの「いいね」を待ってしまってるんです。いわゆる承認欲求です。

 
やんやん
やんやん

私は藤井聡太くんのファンで、Twitterで将棋関係のアカウントをいろいろフォローしていますが、なかなか楽しいですよ。自分から「いいね」やリツイートはまったく押しません。

 
☆乃
☆乃

私も依存傾向が強かったのですが、年齢が上がるとマシになってきました。感受性が下がってきたのかな。

 
馬琴さんが言う。
 
馬琴
馬琴

歳を取って鈍感さが増すのは、本当にありがたいことですよね。私も若いころは感じやすすぎました。

 
7海
7海

私は多重人格で疲れるから、依存しているものは多いです。Twitterをやってたときはやりすぎて、いわゆる「ツイ廃」でした。Instagramに夢中だったころは、当時話題だった「インスタ映え」のことばかり考えてましたね。

 
Q菜
Q菜

私にも恋愛依存の傾向があります。浮気されたら相手を殺してやりたいです。

 
馬琴さんが尋ねてくる。
 
馬琴
馬琴

レンツさんはさっきロマンチストだということを言っていましたよね。

 
レンツ
レンツ

はい。

馬琴
馬琴

「ソウルメイト」って分かりますか。

 
レンツ
レンツ

はい。

馬琴
馬琴

分からないかたもいると思うので一応説明いたしますと、宇宙のどこかに自分と魂を分けあった誰かがいる、親友や恋人がそうかもしれないと考える人が世の中にはたくさんいます。その求めている理想の相手をソウルメイトと言います。

 
「へえ......」とQ菜さんが呟く。
 
馬琴さんはぼくに向かって言う。
 
馬琴
馬琴

レンツさんはずばり言うと、ソウルメイトを探してるんじゃないですか。

 
⇒「そうだ、そのとおりだ」という場合は、

[009]

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⇒「違う!」という場合は

[020]

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[003]
馬琴さんの口調は簡潔でありながら、温かみを感じさせるものだった。
 
ぼくは呟く。
 
レンツ
レンツ

そっか、じゃあぼくは違うということになるんですね。

馬琴
馬琴

はい、でもこの会は特別な「属性」で説明できなくても、困っている人みんなに門戸を開いている会ですから、安心してください。なんとなくの生きづらさも、ちゃんとした苦労です。

 
全員分の自己紹介を板書していた玲さんが書きおえた。
 
 
馬琴
馬琴

さて、今日はどの研究テーマから始めましょうか。

 
ジャンケンで決めるみたいだ。勝った人のテーマを最初に扱って、何人分かやる。馬琴さんや玲さんのテーマを扱うこともあるらしい。
 
「じゃーんけん」と馬琴さんが叫ぶ。
ぼくたちは「PON!」と言って、勝負。
何度かあいこになり、勝者になったのは......。
 


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[019]

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⇒6が出たら

[013]

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[004]
司会をしている中年男性が、突如としてぼくたち全員に向かって叫び声をあげた。
 
馬琴

さあ野郎ども、覚悟はできたかい! 黙ってオレに付いて来い!

 
会場の空気が凍った。なんだ、なんだ。なんなんだ、この人は。心からシーンとしてしまった。
うーん、なんだか面倒なところに来てしまったようだ。いたたまれないから、帰ろう。
「入退室自由」だもんね。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
 
[005]
7海さんがこの流れに抵抗を見せた。
 
7海
7海

ちょっと待ってください。私は納得できないです。人間関係を構築できる具体的な方法が知りたいです。

 
「そうだそうだ、そのとおりですよ、7海さん!」と玲さん。
 
玲

形から入ってみるのはどうでしょうか。人との関わり方をうまく回せるようになることで、あとから人を信じやすくなるかもしれません。

 
 
馬琴
馬琴

コミュニケーション用のテンプレートをたくさん蓄えていくと良いですよ。

 
玲さんが補足する。
 
玲

メールの冒頭で「いつも大変お世話になっております」と書くのと同じ要領ですね。人間関係を円滑に回すための決まり文句を、会話の場面で使っていくんです。

 
無ウ
無ウ

真面目に考えすぎないことも大事かもしれません。ぼく自身もそうなんですが、人間関係について重く考えすぎることで、身動きが取りにくくなってしまいます。

 
 
7海
7海

場所によっては表面的な人間関係でまったく問題ないと割りきると良いのかもしれません。たとえば職場では事務的な関係だけを築くようにして、人間関係の満足はSNSで満たすとか。

 
 
☆乃
☆乃

あとは余裕を持った生活を送ること。そうすることで、他人に対してもゆったりとした気分で接することができるようになります。そこから実りある人間関係が築けるようになるのかもしれない。

 
馬琴さんが「ヤンヤンさんは何かありませんか」と尋ねた。
 
 
やんやん
やんやん

いま☆乃さんが言ったことなんですが、余裕を持った生活って、どうすればできるようになるんでしょうね

 
玲さんは優しく述べる。
 
玲

日常的な自分のメンテナンスに気をつけることではないでしょうか。よく食べて、よくお風呂に入って、よく寝る。

 

[011]へ進んでください。

[006]
馬琴さんは刻一郎さんに言う。
 
馬琴
馬琴

すみません、いまはレンツさんのお話に集中したいところですので、いましばらくお待ちくださいませ。

 
ぼくは言葉を継いでゆく。
 
レンツ
レンツ

大学に入学したとき、しばらくのあいだ軟式野球部に入っていました。軟式を選んだのは、気楽に野球を楽しみたかったからです。それでも体育会系の人たちとあまり話が合わず、半年くらいでやめてしまったのですが、練習試合のときなんかは自分はここの一員なんだという感覚があって、気持ち良かったです。ふだんの走り込み、キャッチボール、ノック練習なども、充実感がありました。

 
☆乃さんがぼくのほうを振りむいて、言ってくる。
 
☆乃
☆乃

野球をするのがお好きなんですね。

レンツ
レンツ

はい、見るのもやるのも好きです。でも同好会みたいな場所でダラダラやるのが好きです。体育会のガッチリした上下関係なんかには付いていけなくて、結局やめてしまいました。

 
 
馬琴
馬琴

Q&Aが始まりましたね。せっかくですし、刻一郎さんが先ほどおっしゃりたかったことも発言していただけるでしょうか。

 
刻一郎
刻一郎

はい、私は自分が所属していた宗教団体に対する嫌悪感に悩まされているのですが、入信していたときは、組織の一員だという実感が心地良かったです。自分たちは正義の側、真理の側なんだという安心感がありました。でもそれは独善的だったといまでは思います。いまはもっと健康的な形で居心地の良さを味わえる場所がないかと思っていますね。

 
☆乃さんが応答した。
 
☆乃
☆乃

私の友人に最近宗教を辞めた人がいるんですけど、彼女は教団のなかでの嫉妬や足の引っ張り合いが辛く、人間関係に疲れて教団に嫌気が差したということを言っていました。宗教団体といってもいろいろなんですね。

 
刻一郎さんが応答する。
 
刻一郎
刻一郎

私の場合は幼いころから入信していて、教団と自分の世界とがほとんど一体になっていたというのが理由かもしれません。教団の内部の人を信じられなかったら、いったい何を信じられるんだと思っていました。

 
 
馬琴
馬琴

ちょっと待ってください。刻一郎さんの問題は、またのちほど、みんなで当事者研究しましょう。まずはレンツさんの話です。

 
馬琴さんがぼくを見て言う。
 
馬琴
馬琴

発言できる範囲で構わないのですが、いちばん辛かった時期はいつですか。また、何か心に強く残っている出来事はありますか。

 
レンツ
レンツ

彼女と別れた時が人生MAXレベルに辛くて、野球もやめていたから、どうして良いのかなと。アルバイト先でもトラブルになったときには心が疲れてしまって、マンションの7階にある自宅のベランダから飛びおりようかどうかと悩みました。夜に長い時間、ベランダから地面を見つめていました。

 
7海さんが「それはかなり危なかったですね」と言ってくれる。
 
ぼくは続ける。
 
レンツ
レンツ

失敗して植物状態で生きのびる、というような可能性もありますから、自殺を試みるのはリスクが大きすぎると思いますが、うまく人間関係が作れない悩みは変わりません。なかなか生きる気力が湧いてきません。

 
馬琴さんが提案した。
 
馬琴
馬琴

ここでひとりひとり、他者に対する不信感があるかどうか、自分の事例を言ってみても良いかもしれませんね。

 


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[012]

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[026]

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[007]
これで研究が収まるところに収まったようだ。ぼくは言う。
 
レンツ
レンツ

みなさん、ありがとうございます。実際やってみようと思うことをいろいろ聞くことができました。

 
 
馬琴
馬琴

日常のなかでいろいろ実験してみて、また困ったら、この会でみんなで話しあうようにしましょう。

 
ぼくは当事者研究にとても興味が湧いていた。このあとの、ほかの人の問題に対する当事者研究も楽しみだ。きょうはここに来て良かった。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
[008]
馬琴さんの言い方はトゲトゲしい排他的な印象のものだった。ぼくはこの時点で、この会に来たことを後悔するようになってしまった。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
[009]
ぼくは答えた。
 
レンツ
レンツ

はい、そうだと思います。ソウルメイトに憧れています。

 
馬琴
馬琴

そのお気持ちが、とてもよく分かります。私もロマンチストです。ただ私は、ソウルメイトは結果論ではないかなと思うようになりました。誰かと出会って、ものすごく大切だと思えたら、その人がソウルメイトだったということになるという仕組みです。

 
ぼくは「はい」と呟く。
 
馬琴
馬琴

だから「フィーリングが合う」というくらいで友達付き合いや恋愛をすると、大きな期待がなく、落胆しなくても済むかもしれません。運よく関係が長続きしたら、この人はソウルメイトかも⁉︎と考えることにするんです。

 
そこでQ菜さんが言う。
 
Q菜
Q菜

私はソウルメイトっていう概念をいま初めて知ったんですけれど、ソウルメイトを探すんじゃなくて、誰かのソウルメイトになってあげればいいじゃないですか。

 
無ウさんと7海さんが同時に「おおー!」と叫ぶ。
 
玲さんはQ菜さんに尋ねる。
 
玲

Q菜さんはソウルメイト的なものへの憧れはありますか。

 
Q菜
Q菜

いえ、もっと現実的に考えるほうです。

 
馬琴
馬琴

憧れがないからこそ、素晴らしい閃きが生まれたのかもしれませんね。レンツさんどうですか。フィーリングの会う友人や恋人と出会って、その人のソウルメイトになってあげてみては。

 
ぼくは感動していた。
 
レンツ
レンツ

はい! 本当にそうですね。

 

[007]

へ進んでください。
[010]
司会者が会場のまんなかあたりを眺めながら、言った。
 
馬琴

ではまずは自己紹介ですね。

 
司会者が話しつづける。
 
馬琴

私のアノニマス・ネーム(自助グループで使う匿名用の名前)は馬琴(まこと)です。ASDの大学教員で、いまは休職しています。40代前半です。自助グループを運営していて、当事者研究を盛んにやっていますが、いつも何かに困っています。

 
隣にいる40代くらいの女性が自己紹介の要点をホワイトボードに書きこみ、司会者の馬琴さんに眼で合図してから、私たちのほうを向いて、語りだす。
 
玲

玲(れい)と言います。特別支援学校で事務員をしていましたが、現在は退職しています。統合失調症を煩い、離婚も経験しましたが、現在は寛解しています。10年以上入院していたことがあります。最近は親の介護の問題で頭を悩ませていて、憂さ晴らし目的の買い物依存に走ってしまい、家計が大変な状況です。

 
話しおわった彼女は、自分が話したことの要点をホワイトボードに書いている。
 
馬琴さんが玲さんをしばらく見つめ、また私たちのほうを向いて語りかける。
 
馬琴
馬琴

では、いちばん前のかたからお願いしましょうか。

 
最前列に座っている30代の男性が話しだす。
 
無ウ

私のことは無ウ(むう)と呼んでください。ADHDと双極性障害を診断されています。20代のころはクローズ就労していたのですが、半年前に退職してしまいました。いまは就労継続支援のB型事業所で働きはじめたところです。

 
馬琴さんが、無ウさんの右後に座っている30代の女性に順番を回す。
 
7海

休職中の会社員で、7海(ななみ)といいます。アラサーです。私は解離性同一性障害の当事者です。自分の中に8人の人格がいますが、ひとり勝手に知り合いに変なLINEを送る子がいて、いつも迷惑しています。

 
馬琴
馬琴

ADHDと双極性障害が併発する人はとても多い、ASDと多重人格が併発する人もそれなりにいる、という印象があります。

 
へえ、そういうものなんだ。
 
馬琴さんの隣で玲さんが相槌を打った。
 
玲

それに対して、発達障害で統合失調症の人はあまり聞かない印象がありますね。

 
7海さんの横に座っている初老の男性の番が来た。
 
やんやん

私はやんやんです。60代の嘱託社員なんですが、将来のことが不安です。というのも一人息子が10年以上も引きこもっています。将来は80-50問題(80代の親が50代の子どもを扶養せざるをえないという問題)の当事者になる予感がひしひしとしています。私自身は当事者と言えないかもしれませんが、家族や支援者も参加して構わない、という案内を拝見したものですから。

 
馬琴
馬琴

当事者の家族や支援者も歓迎しています。なぜなら、その人も家族や支援者として、苦労の当事者だからです。お越しくださり、ありがとうございます。

 
7海さんとやんやんさんの後に座っている20代の女性が自己紹介を求められる。
 
 
Q菜

フリーターのQ菜(きゅうな)です。LGBTの問題も歓迎という説明を見たので来ました。バイセクシュアルで、いまは同性が好きなのですが、まわりに打ちあけられる人はいません。周りは好きな男の人の話で盛りあがることが多く、話を合わせるのに、とても神経を使ってしまいます。

 
Q菜の右後に座っている50歳前後の男性が指名され、話しはじめる。
 
 
刻一郎

私は本名の刻一郎(ときいちろう)でお願いします。会社員で、新興宗教の2世です。両親と兄弟はいまでも信仰を持っていますが、私は20代のときに脱会しました。いまは30代前半ですが、身についた宗教の教えがなかなか取れずに苦しい思いをしています。宗教関係のことを扱ってくれるのかどうか分かりませんでしたが、相談できるところが少なく、やってきました。

 
馬琴
馬琴

宗教関係の話題も歓迎しますよ。ちなみに特にどのようなことで困っていますか。

 
刻一郎
刻一郎

フラッシュバックのやわらげ方について知りたいです。

 
馬琴さんは、「承知しました。それでは、つぎのかたに行きましょう」と言い、刻一郎さんの真後、つまりぼくの右隣に座っている中年女性に合図を送っている。
 
☆乃

私は☆乃といいます。歳は、アラフィフです。普段は公務員をしています。私はアダルトチャイルドです。子どものころのことが原因で、愛着形成の不全が起きていると感じます。また、両親との関係をどうしたら良いのかということで、いつも悩んでいます。

 
馬琴さんが何か応答しているが、ぼくの頭には入ってこない。というのも、つぎはぼくの番。ちょっと緊張する。
 

[014]

へ進んでください。
[011]
馬琴さんが話す。 
 
馬琴
馬琴

村上春樹に「小確幸」、つまり「小さいけれども確かな幸せ」という言葉があります。台湾で流行語になったことがあり、現在では中国でも「すてきな日本的価値観」の例として、よく知られているようです。その「小さいけれども確かな幸せ」を集めて回るような生活はどうでしょうか。たとえば何かのサービスのポイントをちまちま収集する、短い休憩時間にスマホでゲームする時間を作る、公園に遊びに行って、四つ葉のクローバーを探す、などなど。

 
 
7海
7海

自分を幸せにして、余裕が生まれやすくするんですね。

 
無ウ
無ウ

ぼくは、親しくなりたい人には、自分がフレンドリーな人間だとアピールしやすい体制づくりをしています。メール、LINE、Twitter、Zoomなどのアプリで表示される自分のアイコンをユーモラスなものにしておくなど。

 
 
Q菜
Q菜

話下手でもうまく交流できるような仕掛けを作っておくわけですね。

 

[007]

へ進んでください。
[012]
馬琴さんに指名されて、Q菜さんが話しだす。
 
Q菜
Q菜

私も人を信じられません。中学校のときに、親友と思っていた子に異性も同性も恋愛対象として気になると打ちあけたら、距離を置かれて、クラスでいじめを受けるようになりました。

 
 
☆乃
☆乃

私には友人がいません。夫と息子に対しても、心から信じているという態度で接していますが、表面だけそうしているということが伝わってしまっているかもしれません。

 
馬琴さんは「あ、玲さんにも訊かないと」と言って、玲さんを指名する。
 
 
玲

私は20代半ばから30代の半ばまで、ほとんど病院で過ごしました。絶望だらけの日々でしたが、だんだんと人を信じられるようになり、心が明るくなりました。

 
無ウさんが玲さんに「どうやって信じられるようになったんでしょうか」と質問する。
 
玲

初めは、信頼できる福祉の援助職の人たちに出会えたことが大きかったです。その人たちから助言されて、自助グループや、この会のような当事者研究会に参加するようになって、世界が変わりました。

 
次は7海さんが話す。
 
7海
7海

私は、人に理解されたいという気持ちがあまり分かりません。別々の人間なのだから、みんな理解しあえなくても、仕方がないと思います。

 
馬琴
馬琴

私たちはこういう会に来るくらいですから、平均よりも脆弱性が高いと思うのです。多くの人とは感じ方や考え方が異なっていて、少数派として孤立しやすいのかもしれません。人を信じたくてもなかなか信じられない現実は苦しいですよね。

 
無ウさんが何度もうなずいて、相槌を打っている。
 
やんやんさんは溜息混じりに言う。
 
やんやん
やんやん

うちの息子も人付き合いができたら、引きこもりにならなったと思います。

 
馬琴さんがぼくを見て、「出てきたさまざまな意見についてどのように感じますか」と尋ねてきた。
 
どのように感じるか? ぼくは、みんなの意見を聞いていて、なんだか心が昂揚していた。そこでぼくは言った。
 
レンツ
レンツ

みなさんぼくよりも年上ですし、男の人も女の人もいますが、人間関係に苦労していることを具体的に聞いていて、不思議な安心感を抱きました。ぼくだけが苦しんでいるんじゃないんだと実感しました。

 
 
玲

自助グループや当事者研究会の魅力ですね。同じような苦しみで、さまざまな人が繋がりあえるという。

 
 
馬琴
馬琴

この会の仲間なら信頼できないでしょうか、弱さを見せあえる集まりなんです。

 
ぼくは「そうですよね」と答える。
 
馬琴さんが畳みかけてくる。
 
馬琴
馬琴

こういう会で信頼できる人間関係を作って、それである程度の満足を得るということが、ひとつの解決にならないでしょうか。完全な解決にならなくても、気が楽になりませんか。

 

⇒気が楽になると感じる場合は[024]

へ進んでください。
⇒ならない場合は

[027]

へ進んでください。
[013]
残念。ジャンケンに負けてしまった。でも、当事者研究は何人分かやるようだ。まだぼくが当たる可能性はある。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
[014]
指名されたぼくが話しはじめる。
 
レンツ
レンツ

レンツと呼んでください。ぼくには、これといって病気や障害があるわけではありません。発達障害の検査を受けましたが、診断に至りませんでした。でも、なんとも言えない生きづらさがあります。ぼくも☆乃さんと同じくアダルトチルドレンというのに該当するかなと考えています。

 
馬琴さんがぼくに質問してくる。
 
馬琴
馬琴

ということは、子どものときに家庭環境が壊れていたということでしょうか。

 
家庭環境? いや、特にそんなことはなかった。
 
レンツ
レンツ

割と普通の家庭だったかな、と思います。

 
すると、馬琴さんの説明が始まった。
 
馬琴
馬琴

「アダルトチルドレン」という語は、もとは、アルコール依存症者の家庭で子ども時代を過ごして、成長した人たちを意味しています。その後、アルコール依存症者を親に持つ子どもたちの心の問題が、広く機能不全家族で育った子どもたちの心の問題と共通することが分かってきて、いまでは「アダルトチルドレン」は、機能不全の家庭で子ども時代を過ごして成長した人たちを意味しているんです。

 


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⇒サイコロを振って、1、2、4、5、6が出たら

[003]

へ進んでください。
⇒3が出たら

[008]

へ進んでください。
[015]
ぼくは話す。
 
レンツ
レンツ

物心ついたときには、そんな感じだった気がします。小学生のときに仲の良い友達がいて、お互いにいちばんの親友だと感じていました。相手が引っ越しをするときに、きみはぼくの一生の親友だということを一冊のノートをたっぷり使って表現して、プレゼントしました。でも夏休みに小さな旅行をしてそいつのところに遊びに行ったときには、相手にはもうぼく以上の親友ができていて、それにとても傷つきました。ぼくにとっては、彼は変わらずいちばんの親友だったから、裏切られたような気がしたんです。

 
 
馬琴
馬琴

その後、友人関係などで印象に残っている出来事なんかはありますか。

 
レンツ
レンツ

はい、中1の頃から高3まで仲良くしていた親友がいて、その人がぼくの人生ではいちばんの親友だったのですが、大学に入ってから世界が変わり、価値観のズレを感じるようになりました。違いを認めあって緩やかに交流すれば良いと思うのですが、なんとなくそれができなくなりました。いつのまにか連絡を取りあわなくなって、悶々としているところです。自己嫌悪のさなかです。

 
ホワイトボードに要点を書きおわった玲さんがぼくに語りかけてくる。
 
玲

そんなにお若いんですから、人間関係なんかいくらでも修復できますよ。

 
レンツ
レンツ

そうかもしれません。でも連絡を取りなおすのが、なんとなく難しく感じてしまうんですよね。お互いの心は、ますます離れてしまってるんだろうなと思ってしまって。

 
前のほうで刻一郎さんが手をあげている。
 


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[023]

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⇒2、5、6が出たら

[006]

へ進んでください。
[016]
ぼくは「いえ、実は最近はあんまりです」と答えた。
 
玲さんは「やっぱり!」と嬉しそうに叫ぶ。
 
玲

それはぜひ再開すると良いですよ。楽しい趣味に浸ってない結果として、人間関係のことでくよくよしてしまう、ということがあるかもしれません。

 
Q菜さんは感嘆したようだ。
 
Q菜
Q菜

そうか、そういうことなんですね。たしかに私も最近、好きな音楽をあまり聴いていなかった気がします。

 
馬琴さんがQ菜さんに、「ちなみにどんな音楽が好きなんですか」と尋ねている。
 
 
Q菜
Q菜

星野源とかあいみょんとか。

 
馬琴さんはぼくに向かって「レンツさん、星野源やあいみょんはお好きですか」と尋ねてくる。
少なくとも嫌いではないから、「ええ、まあ」と答える。
 
 
馬琴
馬琴

ふむふむ、大好きというわけではないのですね。いちばん好きなJポップや邦ロックのミュージシャンは?

 
レンツ
レンツ

OGRE YOU ASSHOLE。

 
すると馬琴さんが身を乗りだしてくる。
 
馬琴
馬琴

それ、どんどん聴きましょう! 恥ずかしながら、知らないバンドではありましたが、きっと素晴らしい音楽を作るのだと思います! そしてカラオケでも自分の家でも歌いましょう。人間関係の悩みがどうでもよくなるくらい歌うんです。

 
⇒なるほどそうか!と思ったら

[007]

へ進んでください。
⇒納得できなかったら

[005]

へ進んでください。
[017]
「いえ、特にはありません」とぼくは言った。
 
不意に、会場がなぜかシーンとした。よくある、なぜか急に場が静まりかえる、理不尽なあれだ。
 
 
馬琴
馬琴

さて、ほかのみなさんで何か発言なさりたいかたはいませんか。

 
なんとなく、馬琴さんも落ちつかなさそうだ。
誰も反応しない。
 
 
馬琴
馬琴

いませんか。すみません、私が医学的な診断めいたことを口にしたのが良くなかったと思います。この場は病院やクリニックではありませんから、診断をおこなう場所ではありません。

 
変わらず誰も反応しない。
 
 
馬琴
馬琴

では、また私から質問してもよろしいでしょうか。レンツさんには、何か特別な御趣味はありますか。

 
レンツ
レンツ

山登りとバードウォッチングがそうです。

 
玲さんが「渋い! 最近もなさっているんでしょうか」と訊いてくる。
ぼくは「いえ、最近はあまり」と答える。
 
 
馬琴
馬琴

では、ぜひしばらく趣味に没頭してみる、というのはどうでしょうか。徐々に、感じ方や考え方が変わっていくのかもしれません。そうなったら、しめたものです。人生そのものが動いていく。趣味に没頭してみて、何も変化がなかったら、またみんなでレンツさんの悩みについて当事者研究する、というのはどうでしょうか。

 
レンツ
レンツ

はい。

 
馬琴
馬琴

では、これでひとまず研究を終えましょうか。

 
ぼくは少し拍子抜けしたけど、1週間後の休日には山登りとバードウォッチングを楽しんでみようと考えた。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
[018]
馬琴さんが言う。
 
馬琴
馬琴

当事者研究では、結びに「今度日常のなかでやってみようと思うこと」を設定するのが本式です。レンツさんは、今回の当事者研究を受けて、何か実験できそうなことはありますか。

 
レンツ
レンツ

自己表現がうまいと言われたのが意外で嬉しかったです。もっとそれを磨いてみたくなりました。

 
 
玲

名案ですね! そうしたら人生が変わってくるし、いま悩んでいる問題も、解決しなくても解消されるかもしれません。

 
馬琴
馬琴

まさしく、そのとおり!

 
なかなか勉強になった、とぼくは思う。当事者研究からは多くのことを学べそうだと思い、胸が高鳴ってきた。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
[019]
なんと、ジャンケンはぼくの勝利だ。
 
 
馬琴
馬琴

それではレンツさんの当事者研究を始めましょう。研究テーマは「漠然とした生きづらさ」ですね。

 
玲さんがホワイトボードを裏返して、いちばん上に「漠然とした生きづらさの研究」と書いている。
 
 
馬琴
馬琴

では、話したくないことは話さなくて良いですから、どのように生きづらいのか教えてください。

 
ぼくは話しだす。
 
レンツ
レンツ

いままでなんとなく「普通」に生きてきました。いじめにあったり、仲間外れになったりしたことはありません。友達にもいつも恵まれていたのですが、なんとなく他者への不信感があります。いつも誰かが親友でしたが、本心を打ちあけることがなかなかできません。なんとなく遊んだりして、表面的な関係に終始してしまいます。大学になってから彼女ができて、半年くらい、なんとなく付きあっていたのですが、やはり心を開くことができず、別れてしまいました。これから就活をしますが、ずっとこんな感じなんだろうかと思うと不安になってきます。

 
馬琴さんから質問を受ける。
 
馬琴
馬琴

いつごろからそんな悩みを持つようになったのでしょう?

 
⇒思春期よりも前からだっただろうか(

[015]

へ進んでください)。
⇒それとも思春期よりもあとからだったかな(

[021]

へ進んでください)。
[020]
ぼくは抗議する。
 
レンツ
レンツ

いえ、そんなことはありません。

 
 
馬琴
馬琴

そうですか、レンツさん、あるいはほかの参加者の方でも良いですが、ここで何か追加したいお話などはありますか。

 


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⇒サイコロを振って、1、4、5、6が出たら

[025]

へ進んでください。
⇒2、3が出たら

[017]

へ進んでください。
[021]
ぼくは話す。
 
レンツ
レンツ

高校の頃からだんだんそうなった気がします。ぼくは友達よりも少し心の成長が遅くて、まわりがどんどん変わっていくのについていけない気がしていました。クラスの女子を品定めしたり、セックスについて下品なことを言って騒いだりするのも苦手でした。少し潔癖な面があるのかもしれません。

 
 
馬琴
馬琴

身の回りの清潔さにも敏感なほうですか。

レンツ
レンツ

特別にキレイ好きということはないと思います。自宅の机の上なんかは片付いていないですし、1日に何度もシャワーを浴びたりすることはありません。でも、人間関係についてはロマンチックな幻想を抱くところがあります。彼女がいたときにも、この人はぼくには運命の人なのかどうなのか、と気になりました。小学生の女の子みたいな幻想があります。

 
馬琴さんが「では依存傾向はありますか」と尋ねてくる。
 
馬琴
馬琴

アルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存。あるいはセックス依存、過食、自傷行為。深刻でなくても嗜好品依存、買い物依存など。

 
⇒ある場合は

[002]

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⇒ない場合は

[017]

へ進んでください。
[022]
ぼくは答える。
 
レンツ
レンツ

はい。このまえの週末はとても楽しみましたよ。

 
玲さんは異なる答えを予想していたようで、拍子抜けした声色で語る。
 
玲

そうですか、そうなんですね。楽しいことをしているのに、毎日を冴えなく感じるのは辛いですね。

 
しばらく会場がシーンとした。
すると突然、無ウさんが歌いだす。
「ラララ〜ホゲラ〜♪」
☆乃さんは「この人、歌いだした!」と叫ぶ。
 
無ウさんが説明する。
 
無ウ
無ウ

なんとなく気まずい雰囲気だったので、この場をなごませようかなと思って。


 
7海
7海

なるほど! じゃあ私も。レリゴー♪レリゴーララ。

 
☆乃さんは「こっちでも? ノリ良すぎじゃない」と驚いている。 
馬琴さんは、「みんなも歌おう、みんなで歌おう」と煽りだした。
やんやんさんは7海さんに合わせて、「ありのままで」を歌いだす。
 
馬琴さんは断固と言いだす。
 
馬琴
馬琴

そう、ありのまま、ありのままで良いのですよ。人間関係は解決しなくてもいい、楽しいことでいっぱいになれば、問題は「解決」しなくても雲散霧消する、つまり「解消」する、溶けてなくなってしまうんです。

 
なんだ、なんだ、この展開は。
 

[005]

へ進んでください。
[023]
馬琴さんが刻一郎さんに発言を促す。
 
刻一郎
刻一郎

私は宗教に入信していたときに、教団内の人間関係を中心に生活が回っていましたから、人間関係で困った事はありませんでした。学校や職場の人たちとは表面的にだけ付きあえば良かったわけです。でも脱会してからは、何を信じて良いのか、誰を信じて良いのか判断がつかなくなりました。いまはまた自分が信じられるコミュニティをどこかに見つけなくてはと思っています。レンツさんの悩みが、私のものとどこか通じているのではないか、という気がして、発言させていただきました。

 

馬琴
馬琴

たしかに、通じているかもしれません。そして、この当事者研究のミーティングをそのような「自分が信じられるコミュニティ」として利用していただけると、嬉しいと思っています。

 
刻一郎
刻一郎

そういう期待があって、ここに来たことは確かです。

 
馬琴さんはぼくに向かって尋ねてくる。
 
馬琴
馬琴

レンツさん、どうでしょうか。この会の仲間なら信頼できないでしょうか、弱さを見せあえる集まりですよ。

 
残念ながら、ぼくは馬琴さんに少し押しつけがましさを感じてしまう。そこで本音を言う。
 
レンツ
レンツ

うーん。きょう初めて来たばかりなので、まだ信頼できるかどうかはわからないです。

 
馬琴さんは「そうですか」と残念そうに呟く。
 
ぼくは続ける。
 
レンツ
レンツ

この会には今後もお世話になりたいと思っています。でも日常生活でも人間関係を充実させていきたいです。毎日がじわじわと苦痛すぎるんです。

 
 
玲

「じわじわと苦痛すぎる」! 良い表現ですね。

 
玲さんはマジックペンを黒から青に変えて、ホワイトボードに「じわじわと苦痛すぎる‼︎」と書きこんでいる。
 
無ウさんが口を挟んでくる。
 
無ウ
無ウ

マッチングアプリなんかはどうですか。馬鹿にして言ってるんじゃないですよ。いろんな人とどんどん出会える状況を作るんです。実際ぼくもやっていますが、だいぶ救われました。

 
 
馬琴
馬琴

自分を助けるものなら、反社会的でない限り、なんでもやって良いのでは、と思います。レンツさん、どうでしょうか。

 
レンツ
レンツ

たしかに、よく考えると身近なところ以外で友だちや恋人を作ろうとしたことがないことに気がつきました。

 
 
☆乃
☆乃

レンツさんは、TwitterとかInstagramはなさっていますか。ネットで趣味の合う仲間を見つけられれば、リアルでの人間関係の悩みがやわらぐかもしれません。

 
馬琴さんが「レンツさんの趣味は何でしょうか」と尋ねてくる。
 
レンツ
レンツ

山歩きとバードウォッチングです。

 
馬琴さんは「若いのに渋いねえ」と感心している。
 
そうだろうか。
 
 
馬琴
馬琴

そういうことなら、Twitterでバードウォッチングについて呟いたり、撮影した鳥の写真をInstagramに投稿したりして、同好の士と繋がると良いかもしれませんね。

 
ぼくは「なるほど」と呟く。SNSはなんとなく上品でない印象がイヤで、やっていないのだ。
 
玲さんがぼくに尋ねてくる。
 
玲

最近は山歩きとバードウォッチングはしていますか。

 
⇒そりゃもちろん、やっているよ、という場合は、

[022]

へ進んでください。
⇒あれ、最近はやってないや、という場合は

[016]

へ進んでください。
[024]
ぼくは言った。
 
レンツ
レンツ

はい、ぜひ今後もこの場に助けられたいと思います。

 
馬琴さんが優しく言った。
 
馬琴
馬琴

ほかのかたがやっている当事者研究会も含めて、是非いろいろ参加してみてください。いくらでも成長できると思いますよ。

 
ぼくの問題に関する当事者研究は終了した。
しかし、きょうの当事者研究会もまだまだ続く。ほかの人の研究からもできるだけ吸収して帰ろう、とぼくは思った。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
[025]
無ウさんが馬琴さんに尋ねる。
 
無ウ
無ウ

あの、レンツさんが話したことに対する感想を言ってみても、良いでしょうか。

 
 
馬琴
馬琴

他者を一方的に裁く、というようなものでないかぎり、歓迎しております。

 
無ウさんがぼくのほうを振りむいて、言う。
 
無ウ
無ウ

ぼくがレンツさんくらい若いころは、もっと子どもっぽかったです。レンツさんの話ぶりを聞いていて、すごく立派だなと感じました。

 
 
やんやん
やんやん

本当にね。いまの若者は自己表現がヘタというニュースをテレビで見たけど、全然そうは感じなかった。

 
 
玲

昔のほうが自己表現のヘタな若者が多かった気がしますね。盗んだバイクで走りだしたり、夜の校舎で窓ガラスを割ってまわったり。

 
☆乃さんが「たしかに!」と叫ぶ。
 
刻一郎さんが抗議した。
 
刻一郎
刻一郎

あのころは学校生活がいまよりもずっと閉鎖的だったと思いますよ。軍隊経験を語りながら暴力を振るいまくる教師もいましたから。

 
☆乃さんがおどけた様子で、「そうでした」と相槌を打っている。
 
ヤンヤンさんが発言する。
 
やんやん
やんやん

とにかく日本の未来も暗いばかりではなさそうだ。

 
馬琴さんが「ほかに発言してくれる人はいませんか」と尋ねる。
 
馬琴
馬琴

いないようですね。どうでしょうか、レンツさん。皆さんの発言をお聞きになった感想は。相手を褒めることは、評価の一種なので、場合によっては不快に感じるかもしれませんが、大丈夫だったでしょうか。

 
レンツ
レンツ

いえ、不快だなんて、とんでもありません。ありがたいと感じました。

 

[018]

へ進んでください。
[026]
ところが玲さんが馬琴さんに向かって言った。
 
玲

すみません、私も是非みなさんのエピソードをお聞きしたいのですが、それをいたしますと、ホワイトボードの余白が足りなくなると思われます。ちょっと厳しいかなと......。

 
馬琴さんがホワイトボードを振りむいて、返答する。
 
馬琴
馬琴

あっ、そうか、そうですよね。じゃ、ちょっとこれはやめておきましょうか。あとからそれぞれのかたの研究をやっていきますから、そのときに個別に聞いていけば良いですね。

 
 
馬琴
馬琴

レンツさん、どうでしょうか。この会の仲間なら信頼できないでしょうか、弱さを見せあえる集まりですよ。

 
ぼくはなんとなくピンと来ない。そこで本音を言う
 
レンツ
レンツ

うーん。きょう初めて来たばかりなので、まだ信頼できるかどうかはわからないです。

 
そのあとも当事者研究は進んでいったが、なんとなくしっくり来ないところがあった。でもまだ判断するのは早計かもしれない。きょうはここで、ほかの人たちに関する研究も体験できから、それから判断をくだそう。
 
【おしまい】
 
*このゲームには、さまざまなルートと8種類のエンディングが用意されています。
ぜひ

[1]

に戻って、いろいろ楽しんでみてください。
[027]
レンツ
レンツ

すみません、いまは確かに嬉しいのですが、こういう気持ちってすぐに消えると思うんです。

ぼくはそのように正直に言った。
 
 
馬琴
馬琴

それでは、もっと皆さんの声をいろいろ聞いてみましょうか。

 
会場を眺めまわしながら、馬琴さんは続ける。
 
馬琴
馬琴

どなたか、協力して発言してくださいませんか

 

[025]

へ進んでください。

 

 

 

 

 

 

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