かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2020.6.08 update.
新型コロナウイルス対応の中で,
現場に起きているジレンマを共有し,語り合う
医学書院発行,月刊『看護管理』では,石垣靖子先生による対話シリーズ「看護と倫理―尊厳を護るケアの担い手として」を掲載中です。
新型コロナウイルスの感染が拡大し,各医療機関が対応に当たる中で医療崩壊と言えるような状況が起こり,看護管理やケアの実践において,さまざまな倫理的課題やジレンマが生まれています。
下記は現場から聞こえてきている課題です。
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・病床再編のため,がんの患者さんに必要な医療・ケアを届けることができない
・面会に制限があるため,意思決定支援がむずかしくなっている
・終末期の患者さんに適切なタイミングでの退院支援ができなくなっている
・感染対策のために行動制限が必要となり,認知症を持つ患者さんの状態が悪化している
・全てのスタッフがコロナ対応に当たるわけではなく,職場に分断が生じている
・他の部署の師長やスタッフへのケアも必要だと思っているが十分にできていない実情がある
・「感染リスクを最小にするために看護師自身も患者と接する時間や回数を減らしているが,患者の気持ちを考えるとこれでよいのだろうか」とスタッフが悩んでいる
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こうした中で,石垣先生に, いま現場で起こっている課題に向かうための組織や臨床における倫理に関する考え方をあらためてお伺いするとともに,看護職の皆さまに現場の倫理的課題やジレンマ,困りごとを共有していただく機会として,オンライン(Zoom)による対話の場を企画しました。
安心・安全に,看護管理,臨床看護のジレンマを共有し合える対話の場をご用意いたします。多くの方のご参加をお待ちしております。
【開催概要】
●開催日
2020年6月27日(土)14〜16時
●講師・司会
講師 石垣靖子先生(北海道医療大学名誉教授)
司会 高屋敷麻理子先生(岩手県立大学講師 がん看護専門・緩和ケア認定看護師)
●プログラム
1)オープニング
2)石垣靖子先生レクチャー「いま,現場が抱える倫理的課題と向き合うために――現場力を高めよう!」
新型コロナウイルス対応で,看護現場にはさまざまな苦悩や分断が生まれています。そうしたいまだからこそ,ベッドサイドを大切にし,チームの現場力を高めることが求められています。
いま,現場が抱える倫理的課題と向き合うために大切にしたい組織倫理・臨床倫理について,石垣先生からお話をいただきます。
3)現場の倫理的課題・ジレンマ・困りごとを共有する対話会
高屋敷麻理子先生ご進行のもと,現場の課題やジレンマを参加者の方からご共有いただき,石垣先生との対話の中でよりよい方法を考えていきます。
*ご発言者のみがカメラオンにする形式で運営いたしますので,安心してご参加ください
4)全体まとめ・クロージング
5)希望者のみ茶話会(20分程度)
*カメラオンにて石垣先生や他の参加者の皆さんとご交流いただく時間になります(希望者のみ)
●参加定員・参加費
・定員100名(先着順)
・参加費無料
・主催:医学書院「看護管理」
●お申し込みは下記からお願いします●
https://forms.gle/EWaCpPJJruUSFJAv6
いしがきやすこ◎1938年樺太生まれ。北海道大学医学部附属看護学校卒業後,北海道大学医学部附属病院に入職。同医学部附属看護学校専任講師,同医学部附属病院副看護部長などを経て,1986年ホスピスケアを専門に行う東札幌病院に入職。看護部長,副院長,理事を歴任する。現在,北海道医療大学名誉教授。1992年エイボン女性大賞受賞。主な編著書に『臨床倫理ベーシックレッスン―身近な事例から倫理的問題を学ぶ』(日本看護協会出版会),『ホスピスのこころ』(大和書房)などがある。
司会 高屋敷麻理子氏
たかやしきまりこ@1994年に看護師免許取得後,岩手医科大学附属病院,公益財団法人がん研究会 有明病院,日本赤十字社 盛岡赤十字病院で勤務し,消化器外科・骨軟部腫瘍科・緩和ケア病棟などを経験する。2007年北海道医療大学認定看護師研修センター緩和ケア認定看護師教育課程を修了し,2008年緩和ケア認定看護師を取得する。2015年岩手県立大学大学院看護学研究科前期博士課程がん看護専門看護師コースを修了し,同年にがん看護専門看護師を取得する。
2019年4月より,岩手県立大学看護学部 成人看護学に在籍している。〔専門分野:がん看護、緩和ケア、看護倫理〕