『看護コミュニケーション』〜プロローグ〜

『看護コミュニケーション』〜プロローグ〜

2016.8.04 update.

あなたは新人ナースです。ようやく慣れきた夜勤中、緊急入院を告げるコールが入りました。ストレッチャーで運ばれてきた患者さんは60代前半くらいの男性です。頬はこけ、手足はやせ細っています。腹部は大きく張っていて、腹水がたまっているようです。

 

初期対応や手続きが終わり、あなたは入院の説明とアナムネ聴取のために病室を訪れました。見ると、ご家族がひっそりとたたずみ、患者さんはただ天井を見つめていました。

 

あなたが声をかけると、患者さんはあなたの顔を見て、小さな声で受け答えをしました。

聴取項目の1つである入院の目的をたずねたところ、患者さんは静かに、しっかりとした口調でこう言いました。

 

死ぬために入院しました

 

あなたなら、どう答えますか?

 

看護コミュニケーション図1.jpg

 

医療という非日常場面では専門的コミュニケーションスキルが必要!

皆さんは、これまでの人生で様々なコミュニケーションを経験してきたでしょう。意識的・無意識的に、多くの方法を学んできたはずです。しかし、これまでの経験から、この患者さんに適切な答えができるでしょうか。

 

こうした状況は、私たちの日常生活ではあまり遭遇しません。しかし、医療の現場では、しばしば遭遇する場面です。一般社会の日常生活においては、人間の生と死は身近ではない非日常的場面ですが、医療の現場においてはこれが日常的場面なのです。

ですから、一般社会におけるコミュニケーションとは違った、医療場面における専門的コミュニケーションのスキルが医療者には求められるのです。

 

このコーナーでは、看護学校のテキストや新人ナースの個人学習に最適な『看護コミュニケーション──基礎から学ぶスキルとトレーニング』(医学書院、2015年)から、そのスキルの一部をクイズ形式で「ちょい出し」してご紹介します。

つづきは,次をクリック。

 

●第1回 共感って何?

 

                        (プロローグ了)

看護コミュニケーション──基礎から学ぶスキルとトレーニング イメージ

看護コミュニケーション──基礎から学ぶスキルとトレーニング

看護の専門家として対人関係を築くために必要なコミュニケーションのスキルを、基礎から段階的に学べるテキスト。臨地実習の場でも役立つ1冊!
ロールプレイや模擬患者とのセッションのシナリオを用いることで、臨床で想定されるやりとりをイメージしながら、会話をトレーニングすることができる。さらに、臨床で遭遇することが考えられる状況での対応方法を「高度なコミュニケーション」として解説。
著:篠崎 惠美子/藤井 徹也

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