がん患者の食事レシピ No.20

がん患者の食事レシピ No.20

2011.11.14 update.

020 むせないパン粥

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こんな方に……
パンを食べたい

嚥下困難  口内炎  開口困難

一人当たりエネルギー……285kcal

★たんぱく質13g

★塩分0.6g


s t o r y


食道に狭窄があり、飲み込みに問題がある方に、パンを楽しんでいただけるよう工夫したレシピです。

 

パンが大好きな患者さんが、飲み込みに障害があり、「パンはむせるから食べられない」と諦めてしまうことがあります。主食はできるだけたくさん食べたいと考える患者さんは多いため、「ご飯におかゆがあるなら、パンもおかゆのように調理したら」と考えました。

 

実際に提供してみると「軟らかくてふわふわしておいしい」と多くの方から歓迎されました。開口障害の患者さんには、さらにミキサーにかけて提供したところ、ふわふわのムース状になり、とても喜ばれました。ほんのり甘く、間食としても喜ばれるメニューです。


材料(2 人分)
食パン……6 枚切り× 1 枚
卵……1 個
砂糖……大さじ2
牛乳……300cc
はちみつ……10g

 

つくり方
one パンの耳は落とし、サイコロ状に切る。
two 卵、砂糖、牛乳、はちみつを混ぜ合わせて茶漉しで漉す。
three パンを2 の卵液に浸し、浸み込んだら鍋に入れて弱火でコトコト煮る。または、器に入れて蒸す。
four  仕上げにはちみつをかける(ただし、甘いものが苦手な人にはかけない)。

 

ポイント
ミキサーにかけると少し水分が出るため、嚥下障害のある患者さんにはソフティア2ゲルで固めて提供します。
 

 

<本稿は『がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ』(医学書院、2011)を元に作成しました>

がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ イメージ

がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ

かんかん! 人気連載がオールカラーで単行本化!

「え! これもがん患者さんの食事なの!?」
「何も食べたくない」という小児患者さんから、「うな重が食べたい」という終末期の患者さんまで。日本で唯一の「がん専任栄養士」が珠玉の食事レシピ73品を大公開。看護師、栄養士、患者家族など、「がん患者の食」を支えるすべての人に役立つ知恵と知識が満載。

著:川口 美喜子/青山 広美

判型 B5変
頁 128
発行 2011年11月
定価 1,890円 (本体1,800円+税5%)
ISBN978-4-260-01477-9

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