かんかん! -看護師のためのwebマガジン by 医学書院-
2020.12.11 update.
今年の第40回日本看護科学学会学術集会(JANS40)では、Mixed Methods Research=混合研究法の大家、John W. Creswell先生が登壇されますね。
そのCreswell先生と親交深く、わが国における混合研究法の第一人者が、この本『混合研究法入門』の著者である抱井尚子先生(青山学院大学)です。
ご自身でも混合研究法を用いてきた豊富な研究経験をもとに、「研究方法論」としての歴史的発展と、「研究方法」としての具体的手順とがとてもわかりやすく網羅、いえ、まさに“混合”された、「入門」の名にふさわしいハイブリッドなテキストです。
「なぜ“混合”するの?」「どうやって混合すれば?」「どちらか一方の研究方法だけでタイヘンなんだけど…」—いろいろ疑問をもたれた方は、ぜひ本書を。
一見ムズカしそうにみえる混合研究法ですが、実は気づかないうちにこの研究法を使用しているかも?
あなたが取り組んでいる研究もMMRかもしれない!?
抱井 看護師の方々は気付かぬうちに,実はMMRを用いた研究を行っているだろうと思います。昨年3月の日本看護科学学会のセミナーでは,宮下光令先生(東北大教授・緩和ケア看護学)が地域緩和ケア提供体制の確立に向けた研究の成果を発表されました。先生は,明らかにしたい内容に合わせて研究を行っていたら,その方法がMMRだったと後から知ったとおっしゃっていました。
亀井 博士論文の研究計画書でも,質的・量的両方のデータ収集が入っているケースがしばしば見受けられます。「混合研究法」というかたちは知らなくても,看護におけるさまざまな現象を明らかにするためには単一のメソッドだけでは足りない部分があることに研究者は気付いているのだと思います。
弊社発行『医学界新聞』掲載の、抱井先生と、看護領域で混合研究法を推進されている亀井智子先生(聖路加国際大学)の対談記事から抜粋しました。
いかがでしょう、混合研究法がぐっと身近に感じられてきませんか?
(KR)