【リニューアル!】エピソード1 「看護って何?」に向き合った実習

【リニューアル!】エピソード1 「看護って何?」に向き合った実習

2013.4.17 update.

つい先日までは看護学生だった人たちに、
がんばった3年間。濃かった3年間で記憶に残ったことを綴ってもらいました。
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ちなみにみんな国家試験に合格し、この4月から無事に臨床で看護師さんになるとのことです。
お疲れ様でしたー。そしておめでとうございますーーーーーー!!!!!!!❤❤
臨床でもがんばってください。応援しています

 

 

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安藤由紀(上尾中央看護専門学校・第一学科卒)

 

 

国家試験、卒業式を終え4月からの新生活に向けて荷造りの毎日。本棚に君臨している教科書たち。3年間お世話になったなー。
教科書をしまおうと手に取ると、各論実習の記憶が蘇ってくる……。

 

実習開始前は必死に調べもの

 

実習開始直前の金曜日に、教員から受持ち患者さんの情報をもらい、必死になり勉強した土日……。
受け持つことになる患者さんの疾患名・性別・年代・内服薬・既往歴・ADLといった情報をもらうと、図書室に駆け込み、分厚い『疾患別看護過程』の本から、患者さんの疾患を探し出しコピー。それから、必要になりそうな看護技術・リハビリの参考書に、持っていると安心する臓器別の参考書(←メディックメディアの「病気がみえる」シリーズです)を借りた。
 

 

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カウンターで「頑張るのよ!」と司書さんに励まされると、すでに不安でいっぱいの私はホロっとしてしまいそうになった。

帰宅し、テーブルには置ききれず、床一面が借りてきた、老年看護学、解剖生理学、呼吸器、循環器、脳神経などの教科書、薬の辞典、検査データブックで埋め尽くされた(>_<)
この資料の山の中、解剖生理から始まり、疾患を調べ、内服薬の作用・副作用に必要になるであろう援助の手順書を作成し、月曜日に収集する情報を考えながら記録を埋めていった。

 

看護が出ていないよね?

 

そうして、頭に詰め込んだ知識が飛んでいきそうになるほど緊張して臨んだ月曜日の行動調整。自分なりに精一杯の行動計画を発表し、事

前学習を提出するも……。

 

教員「それで、あなたは何になりたいの? 実習で何をしたいの?」
私 「(小声で)看護師になりたいです。患者さんを知り援助をしていきたいです」泣いてる.jpg 教員「そうだよね、看護師になるんだよね。それなのに事前学習にも行動計画にも、どこにも看護が出てきていないよね? 疾患を調べることが事前学習じゃないのよ。私たちは人間を相手にする専門職なのよ」
私 「(心の中で泣きながら)はい、もう一度調べ考えます」

 

疾患や検査データを調べることで満足し、患者さんを理解した気になってしまっていた私。けれどそれは、調べれば書くことのできる知識であった。私の行動計画や事前学習には肝心の看護が抜けていたのだ。
 

助けて教科書

 

帰宅し、「看護って何だ?」という途方もなく大きな課題にぶち当たり、時間だけが過ぎていく。
もう無理ー(;_;) でも諦めるわけにはいかない! 原点回帰! 助けて教科書! と叫びながら、付箋だらけの教科書を開いてみる。
いつもはすっ飛ばしていた第一章を開いてみると、書いてあるじゃないの! 看護を学ぶにあたってが! 早く言ってよ教科書! 医学書院!

 

そういえば、ある教員が、「教科書は第一章が大切。看護について書かれており、読まないまま学習を進めても看護師とは言えない」と言っていたっけ。

 

第一章を読んだからといって「看護とは何か」という壮大な問いに明快な答えが出るわけではなかったが、しかしそれを読むことで、看護師の役割や、疾患を持つ人間というものが思い浮かべられるようになった。
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明け方の、新聞屋さんのバイクの音が聞こえるまで、「どうしたら患者さんが笑顔になってくれるだろうか?」「どうしたらリハビリを積極的に取り組んでくれるだろうか?」を考えた。
今日は患者さんのペットの話から始めてみよう! 退院後にやりたいことを聞き出してリハビリに繋げられないだろうか……。そうして患者さんの性格や生活に沿った情報から、援助計画を考えるようになっていった。

 

よい実習経験でした

 

実習も終わりに近付く頃には、患者さんの表情が和らぎ、ベッド上でできることも少しずつ増えていった。そうして、私自身も不安や緊張が和らぐことで視野がひろがっていった。

 

卒業証書を手にした今も、「看護って何?」と聞かれて、はっきりと答えることはできない。それでも、目に見えている患者さんがその人のすべてではない。患者さんの背景をも想像し、心が通えるように患者さんとその家族に向き合っていくことが看護の第一歩ではないかと、答えることができる。

 

4月からは、そばで厳しくも優しく見守ってくれた教員はいない。手元にあるのは教科書だ。新居で真っ先に段ボールから出してあげるから、また助けてね、頼りにしてるからね(ハート) ❤。

 

 

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安藤由紀(上尾中央看護専門学校・第一学科卒)

海上自衛隊、バーテンダー、介護福祉士を経て、33歳で看護学校入学。愛読書は池波正太郎の『鬼平犯科帳』 。ペンギンが大好きで、いつか南アフリカのボルターズビーチに行くのが夢。
「国家試験用問題集を買いに行った書店で、医学書院の編集者に声を掛けられて(ナンパ?)この文章を書くことになりました」(笑)。とうとう白衣デビューしました!

 


 

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コメント

なかなかいい文章です。
これから先いろんな壁があることと思いますが、君なら何とか乗り越えられるでしょう。
がんばれ座敷!

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