現在、東京を中心にこれまでにない規模で風疹が流行しています。
昨年からの傾向で、患者は20代から40代の男性が多く、女性では20代の方の割合が高くなっています。
風疹流行の何が怖いの?
妊娠初期の妊婦さんが風疹にかかると、胎児に先天性心疾患、難聴、白内障などの障がいが起きる可能性があります(
先天性風疹症候群)。
この大流行で、2012年から現在までに、6例の先天性風疹症候群が報告されています。
妊娠中の風疹流行に気づかず出産し、少したってから「難聴」をきっかけに、母子感染が判明する症例がこれからも増えると予測されています。
自分やパートナーが妊娠していたり、する予定がなかったとしても、周囲の女性や妊婦さんにうつしてしまうことで、先天性風疹症候群を増やしてしまう可能性があります。
成人の風疹の症状は?
成人の風疹は軽症から重症と幅広く、発熱、リンパ節腫脹、発疹の3兆候のうち、まったく熱がない、リンパ節もそれほどではないという発疹だけの症例も存在します。
症状に気づいた時点では、その数日前から周囲に感染させるリスクがありますので、わかった症例だけでの対応では追いつかないという状況です。
ワクチンで予防しよう!
流行を止めるには、1人ひとりが予防することが大切です。
とくに、妊娠予定の女性や妊婦、そのパートナーに接する機会がある人は、ワクチンを接種して予防することをおすすめします。
なかには、「過去にしたことがある」「子どもの頃風疹になったことがある」という方もいらっしゃると思います。しかしそれでも、必ずしも十分な抗体があるとは限りません。
そこで、
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過去に1回ワクチンを接種しただけ、または、接種したかどうかわからない
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「子どもの頃風疹になったことがある」と親が言っているが、記憶だけで証拠がない
上記のような場合は、接種をおすすめします。
抗体検査は可能ですが、検査の試薬がすでに不足状態にあるため、「検査しないで接種」が一番低コストです。
ワクチン接種の注意点
風疹は生ワクチンです。妊娠中は接種できません。
また、接種後2か月間の避妊が推奨されています。
[参考]
2013年 国際感染症セミナー
「風疹の流行を止めるために~医療・教育・行政の課題~ 」