第55回 がんの治療効果を判定する

第55回 がんの治療効果を判定する

2022.3.15 update.

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近藤慎太郎(こんどう しんたろう)

東京都出身。近藤しんたろうクリニック院長(渋谷区)。北海道大学医学部・東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター(内視鏡室長)、クリントエグゼクリニック(院長)を歴任し、開業、現職。消化器内科専門医として年間2,000件以上の内視鏡検査と治療に携わる。特技はマンガ。本連載でも、絵と文ともに描き下ろしている。
●公式ブログ『医療のX丁目Y番地』
著書に、Amazonでベスト&ロングセラーになっている『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』『がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」』。近著は『ほんとは怖い健康診断のC,D判定 医者がマンガで教える生活習慣病のウソ・ホント』『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』。日経ビジネスオンライン連載『医療格差は人生格差』JBpress連載『パンデミック時代の健康管理術

 

|がんの治療効果を分ける指標

 

医師兼マンガ家の近藤慎太郎です。

自らのクリニックでの診療を拠点に、2つの総合病院で消化器内科の臨床にあたるとともに、自作のマンガを使って、エビデンスに基づいた医療情報を広くわかりやすく解説し、この国で予防医学が認められることをライフワークにしています。

(過去記事のアーカイブこちらから)

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テーマ●がん治療の効果はどうやって判定するのか

 

本連載では「外科療法」「薬物療法」「放射線療法」「免疫療法」「緩和ケア」と、様々ながんの治療方法について解説してきました。

では、がんの治療に効果があったのかどうかは、どうやって判定するのでしょうか?

固形がんの場合は、一般的に「RECISTガイドライン」を用いて、がんの縮小効果の有無を判定します。そして、

 

がんがすべて消える「完全奏効CR:complete response)」

がんが縮小した「部分奏効PR:partial response)」

がんが増大した「進行PD:progressive disease)」

がんに大きな変化が見られない「安定SD:stable disease)」

評価ができない「評価不能NE:not evaluable)」

 

上記の5つに分類されます。それぞれ具体的に解説してみましょう。

 

 

ここで大切なポイントが2つあります。

CRはがんがすべて消失することですが、必ずしも完治を意味するわけではありません。

なぜなら、RECISTガイドラインは、CT、MRI、胸部X線などの画像診断装置を用いて評価するので、画像では確認できないごく小さな病変が体の中に残っている可能性はまだあるからです。

 

次に、治療方法の効果を示す「奏効率」という言葉の定義についてです。

奏効率は「治療によってCRとPRが得られた人の割合」になります。

つまり、治療によってがんが縮小しただけで、消えてない人もカウントされているのです。

「治療法Aの奏効率が60%」というと「60%の人が治るんだ!」と誤解する人がいますが、決してそういうわけではありません。あくまで「CR(画像上見えない)+PR(縮小)」の全体に対する割合です。患者への説明の際にも、誤解が生じないように注意しましょう。

 

参考

1)固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECIST ガイドライン)ー 改訂版 version 1.1ー日本語訳JCOG版 ver.1.0 

 

2)JCOGプロトコールマニュアル version 3.6

 

(了・次回へ続く

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