第40回 治療方法を選ぶメカニズム

第40回 治療方法を選ぶメカニズム

2021.4.15 update.

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近藤慎太郎(こんどう しんたろう)

東京都出身。近藤しんたろうクリニック院長(渋谷区)。北海道大学医学部・東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター(内視鏡室長)、クリントエグゼクリニック(院長)を歴任し、開業、現職。消化器内科専門医として年間2,000件以上の内視鏡検査と治療に携わる。特技はマンガ。本連載でも、絵と文ともに描き下ろしている。
●公式ブログ『医療のX丁目Y番地』
著書に、Amazonでベスト&ロングセラーになっている『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』『がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」』。近著は『ほんとは怖い健康診断のC,D判定 医者がマンガで教える生活習慣病のウソ・ホント』『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』。日経ビジネスオンライン連載『医療格差は人生格差』JBpress連載『パンデミック時代の健康管理術

 

|ステージが定まって、はじめて治療法を選択できる

 

医師兼マンガ家の近藤慎太郎です。

自らのクリニックでの診療を拠点に、2つの総合病院で消化器内科の臨床にあたるとともに、自作のマンガを使って、エビデンスに基づいた医療情報を広くわかりやすく解説し、この国で予防医学が認められることをライフワークにしています。

(過去記事のアーカイブこちらから)

 *ガストロペディア【消化器に関わる医療関係者のために】でも公開情報共有中

 

テーマ●がん治療においてのステージ(病期)診断

 

がんの治療といえば、古典的には「外科療法」「化学療法(抗がん剤)」「放射線療法」の3大療法が柱になっていました。

しかし近年、医療の進歩に伴い、がんの治療は非常に複雑になっています。

外科療法、いわゆる手術にしても、基本となる「開腹手術」の他、「腹腔鏡手術」「ロボット手術」「内視鏡手術」など状況に応じて様々な選択肢があります。

また、がん治療の4番目の柱として進歩してきたのが「免疫療法」や、がんの治療と並行して、肉体的、精神的な苦痛を和らげるための「緩和ケア」もあります(いずれも、回を改めて解説します)。

 

さて、がんと診断された場合に、治療方法の選択は、何を根拠に決めるのでしょうか?

 

がんが局所にとどまっている場合は、切除して体から切り離すのがもっとも根治的です(膀胱がんのBCG接種など、いくつか例外はあります)。

しかし、遠隔臓器などに転移している場合には、体内のがん細胞をすべて切り離すことは現実的に不可能なので、抗がん剤による化学療法が治療の柱になります。

このように、そのがんがどこまで進展しているか、つまりどのステージ(病期)にあるかによって、治療方法が変わってくるのです。がん治療において、ステージ診断はとても重要なステップです。

 

ステージ診断はがんの種類によって微妙に違ってくるので、ここからは大腸がんを例にとって解説いたします。

大腸がんの場合、前回も示したように、ステージは以下のように決まっています【再掲】

 

ステージ0…がんが粘膜にとどまる

ステージⅠ…がんが固有筋層にとどまる

ステージⅡ…がんが固有筋層の外まで進行している

ステージⅢ…リンパ節転移がある

ステージⅣ…肝転移、肺転移、腹膜播種の少なくとも1つがある

 

665イラスト40.jpg

ではそれぞれのステージによって、治療方法はどのようになっているのでしょうか?

 

 

665マンガ40.jpg

参考:大腸癌研究会:大腸癌治療ガイドライン2019年版

 

以上のように、ステージ○であれば○○療法といったように、画一的な対応ではなく、がんの性質、治療経過、患者の全身状態、社会的状況などを加味しながら、様々な治療方法を組みわせて、ベストミックスを決めることが必要になります。

これを、「集学的な治療」と表現します。

次回、さらに詳しく解説します。

 

参考 国立がん研究センター がん情報サービス

 

(了・次回へ続く

(過去記事のアーカイブこちらから)

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