第38回 がんの初発症状と腫瘍随伴症候群

第38回 がんの初発症状と腫瘍随伴症候群

2021.3.15 update.

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近藤慎太郎(こんどう しんたろう)

東京都出身。近藤しんたろうクリニック院長(渋谷区)。北海道大学医学部・東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター(内視鏡室長)、クリントエグゼクリニック(院長)を歴任し、開業、現職。消化器内科専門医として年間2,000件以上の内視鏡検査と治療に携わる。特技はマンガ。本連載でも、絵と文ともに描き下ろしている。
●公式ブログ『医療のX丁目Y番地』
著書に、Amazonでベスト&ロングセラーになっている『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』『がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」』。近著は『ほんとは怖い健康診断のC,D判定 医者がマンガで教える生活習慣病のウソ・ホント』『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』。日経ビジネスオンライン連載『医療格差は人生格差』JBpress連載『パンデミック時代の健康管理術

 

|がんを疑うとき……この症状があったら要注意!!

 

医師兼マンガ家の近藤慎太郎です。

自らのクリニックでの診療を拠点に、2つの総合病院で消化器内科の臨床にあたるとともに、自作のマンガを使って、エビデンスに基づいた医療情報を広くわかりやすく解説し、この国で予防医学が認められることをライフワークにしています。

(過去記事のアーカイブこちらから)

 *ガストロペディア【消化器に関わる医療関係者のために】でも公開情報共有中

 

テーマ●発がんを診断するポイント――腫瘍随伴症候群とは

 

がんを早期発見するためには自治体のがん検診や人間ドックで、「無症状のうちから健康チェックをすること」が大切です。

しかしそのことが世の中に周知されるにしたがって、逆に「症状が出た場合はもう進行したがんであり、手遅れになっている」という極端なイメージをもっている人も少なくありません。

むしろ、何らかの症状が出た場合には速やかに医療機関を受診することによって、早期発見につながるケースも多々あるのです。

 

たとえば早期発見が難しい膵がんの場合はどうでしょうか。

膵臓の頭部や鈎部にがんができると、胆汁の流れが阻まれて黄疸が出やすくなります。このため、体部や尾部にできるよりも早期で発見されやすく、完治につながるケースもあるのです。

 

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では、発がんした場合に起こり得る、「がんの初発症状」にはどのようなものがあるのでしょうか。

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マンガで解説したような、がんによる直接的、局所的な所見の他に、がんが産生する生理活性物質や、がんに対する免疫応答により「全身的な症状」が引き起こされることがあります。これを、『腫瘍随伴症候群』と呼びます。

腫瘍随伴症候群を起こすがんは肺がんが最も多く、他、肝がんや腎がん、乳がんなどがあります。

異所性ACTH産生腫瘍によるクッシング症候群、異所性ADH産生腫瘍によるSIADHの他、高Ca血症、高血糖、低血糖、ランバート・イートン症候群、深部静脈血栓症、播種性血管内凝固症候群(DIC)などをきたす場合があります。

ということは、これらの疾患に遭遇した場合には、腫瘍随伴症候群を念頭に置き、どこかに腫瘍が存在していないかどうかを検索することも必要なのです。

 

(了・次回へ続く

 

(過去記事のアーカイブこちらから)

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