第19回 がん検診にはデメリットもある

第19回 がん検診にはデメリットもある

2020.4.01 update.

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近藤慎太郎(こんどう しんたろう)

東京都出身。近藤しんたろうクリニック院長(渋谷区)。北海道大学医学部・東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター(内視鏡室長)、クリントエグゼクリニック(院長)を歴任し、開業、現職。消化器内科専門医として年間2,000件以上の内視鏡検査と治療に携わる。特技はマンガ。本連載でも、絵と文ともに描き下ろしている。
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公式ブログ『医療のX丁目Y番地』 著書に、Amazonでベスト&ロングセラーになっている『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』『がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」』。近著に『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』がある。
日経ビジネスオンライン連載『医療格差は人生格差』

 

がん検診の偽陰性と偽陽性

 

医師兼マンガ家の近藤慎太郎です。

自らのクリニックでの診療を拠点に、2つの総合病院で消化器内科の臨床にあたるとともに、自作のマンガを使って、エビデンスに基づいた医療情報を広くわかりやすく解説し、この国で予防医学が認められることをライフワークにしています。

(過去記事のアーカイブこちらから)

 *ガストロペディア【消化器に関わる医療関係者のために】でも公開情報共有中

 

 

テーマ●がん検診のデメリットについて

 

第17回第18回では、早期発見を目指すためのがん検診について解説しました。

がん検診は、当該がんによる死亡率を減少させる、とても大切な制度です。

ただし、良いことづくめというわけではなく、実は特有のデメリットもあります。

 

まず、検査に伴う肉体的な苦痛がありえます。

たとえば胃がん検診における胃内視鏡検査の場合、挿入時にオエオエえずいてしまう「嘔吐反射」が高頻度に見られます。

また、乳がん検診におけるマンモグラフィーでは、乳房を固定板で挟むことにより疼痛が生じます(それぞれ、詳細は各論で説明します)。

 

さらに、検査の精度が、100%正確というわけではありません。

これには2つのパターンがありえます。

①本当はがんがあるのに、検査で見落とす(偽陰性)

②本当はがんが無いのに、検査で引っ掛かる(偽陽性)

この2つです。

 

19回マンガ670.jpg

 

そして、この「本当はがんが無いのに検査で引っ掛かるケース(偽陽性)」と近いのですが、「過剰診断」も大きな問題です。

がん検診を受けることによって、良性と悪性の「境界病変」が見つかることがあります。

境界病変はがんではないし、通常の生活を送る限り無症状で、何の問題を生じないケースが大多数です。

このような病変が見つかることを、過剰診断と呼びます。

 

偽陽性の場合と違い、過剰診断の場合は治療まで行われる可能性があります。

本当は寿命に関係ないかもしれない病変が、たくさん治療されているのではないか、という懸念があるのです。

 

次回、詳しく解説します。

 

(了・次回へ続く

(過去記事のアーカイブこちらから)

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