第18回 がん検診でどれくらい死亡率は下がるのか

第18回 がん検診でどれくらい死亡率は下がるのか

2020.3.15 update.

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近藤慎太郎(こんどう しんたろう)

東京都出身。近藤しんたろうクリニック院長(渋谷区)。北海道大学医学部・東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター(内視鏡室長)、クリントエグゼクリニック(院長)を歴任し、開業、現職。消化器内科専門医として年間2,000件以上の内視鏡検査と治療に携わる。特技はマンガ。本連載でも、絵と文ともに描き下ろしている。
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公式ブログ『医療のX丁目Y番地』 著書に、Amazonでベスト&ロングセラーになっている『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』『がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」』。近著に『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』がある。
日経ビジネスオンライン連載『医療格差は人生格差』

 

がん検診を受けるとどれぐらい死亡率が下がるのか?

 

医師兼マンガ家の近藤慎太郎です。

自らのクリニックでの診療を拠点に、2つの総合病院で消化器内科の臨床にあたるとともに、自作のマンガを使って、エビデンスに基づいた医療情報を広くわかりやすく解説し、この国で予防医学が認められることをライフワークにしています。

(過去記事のアーカイブこちらから)

 

テーマ●対策型検診が推奨される5つのがん

 

前回、がん検診には、自治体や職場で行われている「対策型検診」と、人間ドックなどの「任意型検診」があると解説しました。

対策型のがん検診の対象となるがんは、罹患率が高く、社会におよぼす影響の多いがんに限られています。

日本の場合は、「肺がん」「胃がん」「大腸がん」「乳がん」「子宮頸がん」5つになります。

これらのがんに対して、世の中には様々な検査方法がありますが、死亡率減少効果があって、安全性が高く、極端に高価でない検査が、対策型のがん検診として採用されています。

 

では、どのような検査方法があって、どれぐらい死亡率を下げるのでしょうか?

 

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ここで、「うちの自治体には前立腺がん検診もあるけど?」と思った人もいるかもしれません。

前立腺がん検診というのは、腫瘍マーカーであるPSAを測定する検査方法ですが、実は前立腺がん検診が死亡率を下げるのかどうか、はっきり結論が出ていないのです。

ヨーロッパとアメリカで大規模な臨床試験が行われ、「死亡率を20%下げる」という結果1)と、「下げない」という相反する結果2)が出たのです。そのため、日本では原則的に対策型検診として採用されていません。

 

しかし一部の自治体は、厚生労働省の指針から外れた項目も取り入れています。

PSA(前立腺がん検診)の他にも、胸部CT(肺がん検診)ABC検診(胃がんリスク検診)などがあります。

これらの検診を追加すれば、確かに得られる医療情報は多くなります。しかし、全額自己負担(対策型のがん検診にも一部自己負担金あり)ならともかく、公費を使って、評価が定まっていない検査を行ってよいのかどうかは、議論の分かれるところです。

 

(了・次回へ続く

 

文献

1) Schröder FH et al. Screening and prostate cancer mortality: results of the European Randomised Study of Screening for Prostate Cancer (ERSPC) at 13 years of follow-up. Lancet. 2014;384:2027-35.

2) Andriole GL et al. Mortality results from a randomized prostate-cancer screening trial. N Engl J Med. 2009;360:1310-9.

 

(過去記事のアーカイブこちらから)

 

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