第15回 がんのできやすさは臓器で異なる

第15回 がんのできやすさは臓器で異なる

2020.2.01 update.

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近藤慎太郎(こんどう しんたろう)

東京都出身。近藤しんたろうクリニック院長(渋谷区)。北海道大学医学部・東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター(内視鏡室長)、クリントエグゼクリニック(院長)を歴任し、開業、現職。消化器内科専門医として年間2,000件以上の内視鏡検査と治療に携わる。特技はマンガ。本連載でも、絵と文ともに描き下ろしている。
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公式ブログ『医療のX丁目Y番地』 著書に、Amazonでベスト&ロングセラーになっている『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』『がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」』。近著に『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』がある。
日経ビジネスオンライン連載『医療格差は人生格差』

 

| なぜ心臓のがんは珍しいのか?

 

医師兼マンガ家の近藤慎太郎です。

自らのクリニックでの診療を拠点に、2つの総合病院で消化器内科の臨床にあたるとともに、自作のマンガを使って、エビデンスに基づいた医療情報を広くわかりやすく解説し、この国で予防医学が認められることをライフワークにしています。

(過去記事のアーカイブこちらから)

 *ガストロペディア【消化器に関わる医療関係者のために】でも公開情報共有中

 

テーマ●がん発生の臓器別の頻度――できやすさについて

 

本連載の第2回では、部位別のがんの罹患率について解説しました。

また第4回で、がんの中では、上皮細胞から発生する「癌種」がほとんどを占めており、その他には造血器から発生する白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫などの「造血器腫瘍」、そして非上皮細胞から発生するまれな「肉腫」があることを解説しました。

 

理論的には、がんは人体のどの部位から発生してもおかしくありません。

しかし実際には、がんのできやすさは臓器によって大きく異なります。決して横一線ではありません。

 

臓器が大きい(つまり細胞数が多い)と発がんのリスクが増えるようにも考えられますが、それだと比較的小さな臓器である前立腺の罹患率が男性で非常に多いことを説明できません。

 

実際には、がんのできやすさには複数の要因が関与しています。

第10~14回にかけて解説したとおり、リスクを上げる生活習慣への暴露のしやすさ(肺がんにおけるタバコなど)や、感染症の有無(ヘリコバクター・ピロリ、B型・C型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス)、遺伝的な要素などが複雑に絡み合った結果、できやすさにこれだけの差が生じるのです。

 

肺、胃、大腸、前立腺、乳房などは非常にがんができやすい臓器です。

では一方、く知られている臓器だけど、がんが滅多にできないものには何があるでしょうか?

 

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なぜ一部の臓器にがんができにくいのか、残念ながら明快な答えはありません。

しかし、もしそれが解明されれば、その論理を応用して、がんの予防や治療に結びつけられる日が来るかもしれません。

現行の医療を発展させることももちろん重要ですが、いつかまったく違う方面からブレイクスルーが現れることにも期待したいと思います。

 

(了・次回へ続く
 
(過去記事のアーカイブこちらから)

 

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