第12回 肝炎ウイルスと発がんのメカニズム

第12回 肝炎ウイルスと発がんのメカニズム

2019.12.16 update.

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近藤慎太郎(こんどう しんたろう)

東京都出身。近藤しんたろうクリニック院長(渋谷区)。北海道大学医学部・東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部附属病院、山王メディカルセンター(内視鏡室長)、クリントエグゼクリニック(院長)を歴任し、開業、現職。消化器内科専門医として年間2,000件以上の内視鏡検査と治療に携わる。特技はマンガ。本連載でも、絵と文ともに描き下ろしている。
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公式ブログ『医療のX丁目Y番地』
著書に、Amazonでベスト&ロングセラーになっている『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』『がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」』。近著に『胃がん・大腸がんを治す、防ぐ! 最先端医療が命を守る』がある。
日経ビジネスオンライン連載『医療格差は人生格差』

 

| HBV=B型肝炎ウイルスは、どんな状態でも油断できない

 

医師兼マンガ家の近藤慎太郎です。

自らのクリニックでの診療を拠点に、2つの総合病院で消化器内科の臨床にあたるとともに、自作のマンガを使って、エビデンスに基づいた医療情報を広くわかりやすく解説し、この国で予防医学が認められることをライフワークにしています。

(過去記事のアーカイブこちらから)

 

テーマ●B型肝炎とC型肝炎はここまで違う

 

 

前回、ピロリ菌やHCV感染、そしてそれに伴う胃がんや肝がんは激減することが予想されると解説しました。

 

ではワクチンで一次予防が可能なB型肝炎ウイルス(HBVヒトパピローマウイルス(HPVはどうでしょうか?

 

ワクチンを接種すれば感染自体を防げるのだから、より一次予防として効果があるように思えます。ただし、実情はそう簡単ではありません。それぞれさまざまな事情で一次予防を困難にしているのです。今回はHBVについて解説します。

 

HBVとHCVはいずれも肝炎ウイルスであり、肝がんの原因となるので、非常に似たウイルスとして同列にとらえている人が多いでしょう。しかし、その性質や、感染した場合のその後の経過は、実はかなり違います。

 

HCVに関しては、近年効果が非常に高い薬が複数現れて、95%以上の割合で駆除することが可能になってきました。

 

しかし、HBVの場合は事情が違います

 

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以前は、B型肝炎が鎮静化する(ウイルス量が減る)と、経過観察から外されるケースも見受けられました。

しかし現在では、発がんや肝炎の再活性化もありうることがわかってきたので、専門医による継続的な診察が必要なのです。

 

結局、HBVは駆除が困難なので、ワクチンなどで感染自体を未然に防ぐことが重要です。

 

ちなみに、「駆除できないウイルスのワクチンなんて接種していいのか?」と思う人もいるかもしれませんが、HBワクチンは、弱毒化した微生物を使う「生ワクチン」ではなく、HBVの一部であるHBs抗原を用いた、ウイルスとして生きていない「不活化ワクチン」なので、問題ありません。

 

では、ワクチンを接種すればそれで解決するのでしょうか?

 

実はまだ、さまざまな問題が残っているのです。

次回、さらに詳しく解説します。

 

(了・次回へ続く

 

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